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未知への進行

翌日の昼休み、気持ちは複雑だったけど止まらず迷わず足は屋上に向かった。やがてドアの前まで来てさゅきまで順調だった足が急に止まった。 

「どうしよ・・・」複雑だった気持ちがここにきて一気に不安になった。 

「あら!和也君。」

後ろから透き通るような声がして、背筋がビクッとなる。振り返ると城崎しろざき先輩がいた。

「どうしたの?遠慮せず入っていいのよ」と笑顔で言った。

「あっ・・いや・・その・・僕は」上手く言えない。心臓がかなり鼓動を打ってる。

「とにかく入りましょうよ」と弾んだ声で言って城崎先輩は僕の背中を押す。ドアが開くと昨日と同じように暖かく穏やかな風が僕の全身を吹き抜け、とても穏やかな気持ちになり激しく鼓動してた心臓も落ち着いた。

前を見るとそこには生徒が三人。昨日会った二人と知らない女子生徒が一人だ。三年の小野先輩は昨日同様にベンチに仰向けになって寝そべっており、二年の港先輩も昨日と同じくフェンスにもたれ掛ってカフェオレに文庫本というスタイルである。

 そして気になる女子生徒。気になるとは言っても恋愛感情じゃないですからね、一応。小野先輩とは別のもう一方のベンチに座り、女の子にしてはちょっと大きすぎるだろうという弁当ををおいしそうに食べてる。スリッパの色から二年生だ。おそらく彼女が昨日いなくて名前呼ばれてた大林おおばやし 明日香あすか先輩だろう。

「あら、貴方が新入生の和也君」

こちらを向き、弁当と箸を持ったままで彼女はあとちょっとで鼻と鼻が当たる位置まで近づいてきた。

「は、はい…。藤…和也です」

「あたしは大林 明日香、よろしくね。あっ、ちなみに二年生でぇーす」

大林先輩のテンションは上がりっぱなしであった。僕はただ呆気にとられた。

「おい、和也君呆気にとられてんぞ。辞めとけ」

「明日香、お前のテンションはどーなってんだよ?」

「何よ?第一印象が大切なの。明るくやさしく先輩ってイメージでいきたいの。テンションに関してはあたしは正常です」

「間違いなく第一印象はウザくて意味不明な人だな」

「正常でそれならハイになったらかなりウザいな」

小野先輩と港先輩が大林先輩をからかう。

「ちょっと二人ともあたしに対して酷くない?」

「「別に」」

そんな光景に僕は更に呆気にとられ、城崎先輩は笑って見てた。

僕はもうこの人達のよく分からない渦の中に巻き込まれているのだろうか?これからどうなるのか?

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