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3度目の変化。そして、締りのない終わり方・・・。

 映画館で出会った6人。

「さぁ~てと、何みる?」

いつもの流れで、浩介が仕切る。

「俺、なんでもいい」

「同感」

俊も雅紀もふてくされ気味で並んでいた。

「私も、なんでもいいや」

未来が可愛さ重視のスカートを触りながら言った。

「私も・・・なんでもいい」

百合が未来の後ろに隠れるようにして言った。

「織は?」

未来が織に聞いた。

「私も、なんでもいいよ」

5人ともなんでもいいといわれた浩介。リーダーの血が沸騰したのか、すごい提案をしてきた。

「じゃぁさ。この中から、見たいのを適当にえらんで、観たいの観ればよくない?」

(おいおい、それって放棄してんじゃね?)

雅紀はそう思ったものの、何も案がでないので、何もいわなかった。浩介が指した作品は3つだった。多分、女子は3人が別々に分かれて、そこに男子が混ざろうとしているのだろう。作品は、全部最近はやりのものだった。『未来王』『家探し』『ミラクルケイト』。

「女子は何にすんの?」

浩介に振られた3人は少し相談した後、3人ともバラバラのものを選んだ。未来が『家探し』、百合が『未来王』、織が『ミラクルケイト』だった。この順番を聞いた浩介は、雅紀と俊の意見も聞かないで観る映画を決めた。俊が『家探し』、浩介が『未来王』そして、雅紀が『ミラクルケイト』だった。

「いいか、終了したらこの上のゲーセン集合」

浩介のその言葉で、3組は分かれた。

「松本、少し座ってろ。俺がチケット買ってくる」

「いいよ、自分で買う」

「いいから」

雅紀は男の意地を見せて、2人分のチケットを買った。

「ほい」

「ありがと」

『ミラクルケイト』が始まるのは、ほかの2つよりも遅く、少しロビーで待つことになった。本当ならば雅紀がポップコーンとジュースも買おうと思っていたのだが、チケットを買っているときに織が買っていた。

「まさか、3人とも別々のを観ることになんてな」

「だよね、私とじゃぁ、嫌だよね。ごめん」

「松本が謝ることじゃねーよ。浩介は元々こうゆうことにしたかったらしーしな」

「へ?」

「いや、なんでもない」

「そう」

2人は、学校では全く話さなかったのを嘘のように話した。

「昨日っさ、何でメール返してくれなかったの?」

雅紀は、会話の種を自分で作った。

「・・・・・・」

織は返事をしない。2人の間に、気まずい雰囲気が漂う。

『9時13分上映の『ミラクルケイト』をお待ちのお客様、準備が整いましたので、ご入場ください。尚、チケットはあらかじめ出しておいてくださりますよう、お願い申し上げます』

織が返事をする前に、アナウンスが入った。

「行こうぜっ」

「うん」

2人は、劇場に入っていった。『ミラクルケイト』は、都会にあこがれた少年が、上京し、都会の辛さを見占めたころ、ウイルスがはやり、背がちぢんでしまう。そのウイルスを壊すのは、嫌いだった田舎の、米だけだった。という話しだ。

(なーんか、タイトル負けしてんな)

雅紀は、どんどん流れていく映像を観た。

 映画が終わり、ケータイを確認すると、浩介からメールが入っていた。

『お前ら遅いから、先カラオケ行ってるぞ』

「はい!?」

俺はそう発言してしまった。

「もういいや。栗山、ゆっくりいこ」

「ん?いいけど」

 雅紀と織はゆっくりと歩いた。そうしていると、デートしているみたいだ。

「栗山、昨日のメールの返事・・・」

「あぁ、あれ・・・。あれぇ」

あれは嘘。そう言おうとして、雅紀は止めた。素直になるなら、ここは嘘はついてはダメだと、感じたからだ。

「栗山のいいところって・・・――――だよ」

そう雅紀に言ったとき、雅紀の顔は、笑顔でいっぱいになった。

「俺も!松本のいいところってそこだと思う」

2人は、黙って手をつないだ。

 ―そのとき、雅紀の中で『松本織』から『憧れのキミ』ではなく、『愛するお前』に変わった。

 

 余談:それから、雅紀は妄想はしなくなった。高校に入ったからかもしれないが、思春期が終わったからかもしれない。貴方は、思春期ですか?恋愛するだけが、思春期ではないですよ。

はい。ありがとうございました!なぁ~んか終わり方がしっくりしませんでしたが、どうでしたか?この話は、僕の友達の体験をもとに書きました。(その割にはリアルじゃなかったとか言わないでください(笑))できれば、感想くださると嬉しいです。この話はこれで終わりですが、続きも書けたらいいと思います。できれば『ミラクルケイト』も(笑)僕はこれからも頑張りたいと思います。

因みに、最後に織がいったことばを、最後の最後まで読んでくれた貴方にだけ教えます。

この話しは、勢いよく書くことができました。

浩介と俊の恋は、次回書きたいと思います。(だって、現実でもまだですから・・・)

それでは、この話を最後まで読んでくださった貴方に、

    『ありがとう』

     「・・・いいところって『私を好きにさせてくれたこと』だよ」

超ベタって自分でも思います。

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