告白コンパ!
翌日。朝8時。雅紀はベットから起きていなかった。両親は土曜日でも働きに出ているから、うるさくはされない。いつも、起きるのはお昼近くだ。だが、今日は一通のメールで8時に起きた。
『やっほぉ~♪今日はヒマかな?あのさぁ、コンパあるんだけどくる?3対3で!来るなら早めにメール返信頂戴ね』
クラスの友達で、一番中のいい村上浩介(むらかみこうすけ)からのメールだった。雅紀は織がいるのでどうしようか迷ったが、とにかく行くとメールを返した。
『じゃさ、いつもの店で集合ね。』
『どこでやんの?』
『カラオケ。支度できたらすぐ集合ね』
『ん』
そこでメールは終了した。
(カラオケって、2次会かよ)
雅紀はツッコミを入れながら身支度を軽く終わらせた。カラオケで遊ぶにしては早いと思ったが、自転車をこぎながらだったからか、深く追求しないでいた。唯一考えたことといえば、
「やべっ、メンバー聞くの忘れた」
ということだけ。
数分後、雅紀はいつも遊んでいるカードショップに自転車を止めた。朝早いため、まだ営業はしていない。
「おぉ~い」
雅紀の来た方向とは反対の道から、浩介の姿があった。
「よっ」
「おっす」
浩介の挨拶に続いて雅紀もあいさつを返した。
「なぁ、ほかのメンバーって誰よ?」
「ん?あぁ・・・。俊、そろそろくんじゃね?」
浩介は近くにあった自動販売機でコーラを買いながらいった。俊というのは、雅紀と浩介が所属していた部活のチームメイトだ。因みにフルネームは斎藤俊(さいとうしゅん)3人でいつもどこかで遊んでいた。もう、遊ぶこともないと思っていた雅紀にとっては、幸運に近かった。
「ちーっす」
浩介の来た方角から、俊も到着した。俊はスポーツバックを持っていた。いつものバックだ。その点、雅紀と浩介は身軽だ。軽めのショルダーバックを持っている。雅紀のバックには、P○Pと財布、ケータイしか入っていなかった。ふくらみからして、浩介も同じようだ。
「さぁ~てと、行動開始といきますか」
3人が揃ったのを見計らってか、浩介が言い放った。
「女子の皆さんはもう会場についてるってよ」
「?」
「?」
雅紀と俊には意味が理解できなかった。
「今日って、カラオケっしょ?」
俊が浩介に聞く。
「違う!今日は、映画の後にカラオケ!」
「はぁ!?」
雅紀は意味がわからないといった風に言った。
15分後、自転車で隣町の映画館につくと、私服の女子3人組がいた。
「お~い」
浩介が声を大きくして呼ぶ。3人が振り向いた。そこには、俊が思いを寄せる女子、工藤未来(くどうみく)、浩介が好きな、後藤百合(ごとうゆり)、そして、松本織がいた。
「!?浩介、何考えてんだよ!メンバー、聞いてねぇぞ」
雅紀は緊張のあまり、声が裏返ったが、今はそんなことは気にしていられない。
「そうだよ、意味分かんね」
俊も緊張気味で言った。
「だって、今日は告白コンパだぜ?」
浩介は平然とした顔で言った。だが、雅紀には、これがチャンスだと素直に思った。
村上浩介が好きな言葉『俺がリーダー!』
斎藤俊が好きな言葉『ノリ良いやつは良い奴!』
栗山雅紀の想い『素直になりたい・・・』




