キジと人間
ある森にキジの群れが暮らしていた。
ある日、そこへ人間たちがやって来た。
人間たちは木を切り倒し、土を起こし、川から水をくみ上げて自分たちの住処を作り始めた。
その様子を見て、キジたちは話し合った。
「人間たちはどんどんこの森を壊していくぞ」
「このままじゃ私たちの住処が無くなってしまうぞ」
「何とかしてあいつらを追い払えないだろうか?」
「毎日あいつらの住処の近くで、大声で鳴くのはどうだろう?きっとうるさいと思って、嫌になって出て行くぞ」
「なるほど、それは良い」
「よし!やろう!」
さっそくキジたちは人間たちの住処の近くに行き、一斉に大声で鳴き始めました。
鳴き声を聞いた人間たちは、猟銃や弓矢など狩りの道具を取り出して、次々とキジを討ち取りました。
キジたちはみんな殺されてしまいました。
口でいくら弁や理屈、異議を唱えても、それで相手が納得してくれるとは限らない。
相手の方が強い立場にある場合、無視され、実力行使されてしまえばそれまでなのである。
難を逃れたいのであれば、屁理屈を並べて誤魔化すよりも行動をとって事態を変えるべきである。
また、訴えを通したいのであれば、言うだけで満足してはならない。不満を口に出した満足感に誤魔化されてはならない。