ある村の泥棒
昔、ある村で盗難事件が起こった。
その事件の犯人として一人の男が逮捕された。
捕まった男は盗んだ物を返し、刑罰を受けた後、釈放された。
それから数日後、同じ村でまた盗難事件が起こった。
村人達は全員、以前と同じ男の仕業だろうと考えた。
男は「今回は自分の仕業ではない」と主張したが、村人達は男が犯人だと決めつけ、牢屋に閉じ込めた。
男を捕まえたその夜、再び盗難が起こった。
村人達は男が牢屋を抜け出して盗みを働いたのだと考え、問い詰めた。
男は「自分はやっていない」と言った。
しかし、村人達は話を聞かず、男をより厳重に拘束した。
その夜、またもや盗難が起こった。
村人達は、今度は男が牢屋を抜け出せないように見張りを付ける事にした。
しかし、それでも盗難は起こった。
見張りをしていた者達から話を聞き、村人達はようやく別に犯人がいる事を理解した。
そして初めて、ちゃんと事件を調べ始めた。
それからほどなくして、他所からやって来た男が犯人として捕まった。
しかし、盗まれた物は犯人の食い扶ちとして全て使われており、何一つ取り返す事はできなった。
冤罪と言うのは、無実の人に罪が着せられるという、許されてはいけない事である。
だがそれだけではなく、本当の犯人が野放しにされている危険な状況という意味でも、許されてはいけない事なのである。
この二つの理由があるからこそ、冤罪は防止する必要があるのである。