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健康的な食事

ある人が食堂でラーメンを食べていた。

その人を見て別のある人が言った。


「ラーメンというのは不健康な食事だ。そんな物食べるべきではない」


ラーメンを食べていた人は尋ねた。


「なら私は何を食べればいい?」


「私のように野菜の多い、栄養バランスのとれた食事さ」


そう言ってその人は自分の野菜炒め定食を示した。


「その食事が一番いいという根拠は何だい?そもそも人によってはアレルギーや持病などで、食べてはいけない物や沢山食べなければいけない物があったりするぞ。それにその食事だって牛乳や果物はないし、完璧ではないんじゃないか?」


ラーメンを食べていた人はさらに続ける。


「そもそも栄養バランスをとれた食事をするべきだというのなら、医者や栄養管理士の指示の下、点滴や栄養剤のみを摂取していた方がいいじゃないか。でもあなたは栄養剤ではなく、ここの食堂で食事をしているじゃないか。それに栄養価だけを考えて食事をするなら、こういった料理店もスーパーの食材コーナーや総菜コーナーも必要なくなる。インスタント食品や調味料を作る仕事もいらなくなる。農畜産業だって食物に沢山の種類は必要ないから、かなり縮小する。そうなればどれ程の人が職を失うと思う?」


野菜炒め定食を食べていた人は何も言えなかった。




好き嫌いを始めとした人の感想は、多くの多様性を産む。

その多様性により、様々な選択肢が生まれ、各自の活動が重複して阻害されるのを防いでいるのである。

完璧な唯一のものに統合された社会に、少なくとも今の人間は適応できないのではないだろうか?


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