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丸太と舟
もし漂流している状態ならば、丸太にしがみ付いているのと筏に乗っているのと、どちらがマシだろうか?
丸太にしがみ付いている状態では、常に腕に力を込めて、片時も気を休めることができない。
そうなれば常に体力を消耗し、疲れ果ててしまう。
筏に乗っている状態ならば、大波や悪天候時以外は体力を温存でき、多少は気を緩めることができる。
必要最低限の労働はしなければならないが、丸太にしがみ付いている状態よりは、疲労が少なくて済む。
丸太から筏に乗り換えようとする者はいても、筏を捨てて丸太に飛びつく者はまずいないだろう。
人間関係も同じである。
常に気を張り詰め、嫌われないよう相手の機嫌を伺い続けたり、四六時中特定の相手に構っていなければいけない様な関係は嫌悪され、積極的に避けられる。
多少は気を抜くことを許し合う関係の方が人は快適さを感じ、長続きしやすいと思う。