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#19 ネトゲ……? 憧れのネトゲが出来るんですか!?

 ユウキは改めて俺を見た。


「なぁ、ハルト君?」

「おん?」

「お前、Tita……あー、お前5歳だからネトゲ出来ねーのか」

「あんのかネトゲ」

 言いかけてやめたユウキに、俺は驚いた。

 いや、ここまで文明が発展してるし、オフラインゲームとかサテライトでできるから、あるかもな―とは思ってたが。ほんとにあるとは。


「あるよー。Titanは所謂フルダイブMMORPGだよ」

「まっじか! やりたいやりた……だから俺、5歳だから出来ねーよ。頼む運営! 10年運営し続けてくれ」

「まぁ、ここ100年安定して運営してくれてるから、後10年は余裕でもつだろ」

「息長すぎねえか。100年って」

「まぁまぁまぁ。長寿種族がいる関係上ね。割と息長いよ。どれも」

 そういえばテレビ番組も「祝1000周年」とか馬鹿息長い番組あったな。

 よくそこまでネタが尽きねえもんだと感心したが。

 まぁ、其れはいいとして。


「きなこについて、後知っといた方がいいことある?」

「んー……きなこ。ハルトに教えた方が良いことあるか?」

「きゅきゅ? きゅーきゅきゅー……きゅっきゅちゃん?」

「……わかんの? きゅっきゅ語」

 言語は違えどユウキときなこは普通に会話している様子だった。

 ユウキ、わかんのかな? きゅっきゅちゃん語。

「いや、魔力言語で喋ってるから……」

 なんだか、やましいことがばれたような顔でユウキがうまく。

 まりょくげんご?

「なんそれ……」

「魔術師なら使える言語。魔力に意味を乗せてテレパシーみたな?」

「……俺にはできないと?」

「お前、魔力は馬鹿にできないレベルだが、魔力操作が壊滅的だからなぁ」


 なんか聞き捨てならん事を聞いたぞ?


「魔力、持ってるんだ?」

「気付いてない? まぁ、5歳児だもんな……でもお前の家族、魔導教信徒だろ? 洗礼はまだなんの?」

「んー……母君も父上も、別に敬虔な信徒じゃないからなぁ……魔術師じゃないし」

「違うんだ」

「人間だぜ? 二人とも」

「あぁ……そらそうか。お前の父親見てないからなんともだが……人間で魔術師は稀有だしなぁ……」

 半ば呟きもってユウキがうんうん頷いていた。

 なんか自己内で納得してらっしゃる?

「母君がアーバイン家の出だから、父上はまーじで一般人だしね」

 補足で言えば、ユウキの眉が跳ねた。

「……んー……まぁ、いいか」

「?」

「お前、魔王と勇者の性質があるって一昨日説明したじゃん?」

「お、おう」

 言ってたね。

「魔王って、基本的に莫大な魔力を包括してんの。そら、魔界を支配する存在だし、それくらい強力な存在なわけで。……ま、魔界を創造できる魔神ほどじゃないがな」

「ふーん?」

 解説してくれるらしい。俺の聞きたかったの、其れじゃない気がするが……ユウキが人差し指を立てて俺に説明してくれる。

「で、大きな魔力が一か所に集まると……?」

「あ、あー……」

 言いたいことが何となく察せた。

 あれだ。

「霊害か」

「暴走すればな。気をつけろー? お前、保有量だけなら……いや、魔力炉の質だけいうならきゅっきゅちゃん発電所なんてメじゃないぞ」

「マ?」

「マ。ドラゴンとかとタメはれるかなー」

「お前とは?」

「俺? 今の俺なんてお前の足元にも立てんよー」

「ええ? うっそだぁ」

「本体ならお前を足元どころか遥か後方に置いていくが」

「わあお」

 やっぱ規格外だなぁ……ユウキ。

「ま、霊害が起こるくらいにはやばい魔力量だが、お前レベルなら世界にたくさんいるから。そこまでビビらなくていいぞ。で、このきなこも、そこそこの魔力炉の持ち主だ」

「きゅっぷ!」

 会話のネタが自分に回ってきたことを察知したきなこが胸を張るような動作をした。楕円フォルムのきゅっきゅちゃんでは良く分からないが。たぶん自信をもって胸を張っているんだろう。

「ほう」

「ま、生きてる分には魔力も消費しないしね。別に何をしなきゃとかもないよ。会話くらいで枯渇するようなやわな子でもないしね。ま、お前は魔力言語使えないわけだが」

「自慢かコノヤロー!」

「ふははははは。羨ましかろう!?」

「羨ましいよ! 俺もきなことおしゃべりしたい!」

「きゅっ……きゅっぷ……きゅ……」

「あ、きなこは無理しなくていいよ? 大丈夫、きゅっきゅ語解読するからね! 俺が!」

「きゅぷ……」

 感情は読めるのだから、いつか解読できるはずである。

 頑張るぞ、俺!

 新たな使命に闘志を燃やす俺。を、見てユウキは困ったように笑んだ。

「まぁ、ほどほどにな? あ、トイレはペット用トイレで行けるはず。基本は犬猫の生態を参照すればいいんでね?」

「病気は……魔物だから基本無いか」

「ないだろうね。俺も知らない」

「とりあえず、母君に食べ物は人間と同じで良いって伝えてくるわ」

「うぃー」

 きなこをユウキに任せて俺だけでキッチンへ戻る。


 キッチンで母君は「これかなー……これがいいかなぁ……」と、棚をごそごそ漁っていた。きなこが使えそうな食器を探しているらしい。

 え、母君? ペットに人間の食器使う気なの? ……俺は別にいいけど……

 母君はまだきなこが人間と同じ食料でいいとは知らないはずなので、人間用の食器に飼料を盛る想定のはずだが……漁っている棚は明らかに人間用食器しかない棚である。……まぁ、何度も言うが俺はいいんだが。

「あ、ハルト?」

 俺の接近に気づいたらしい母君が、踏み台の上から振り返って声を掛けてくる。

 うお、バランス崩してこけそう。助けれんぞ……? まぁ、万一が起こったらユウキに助けてもらうか。

「うん。母さん、足元……気を付けて? あと、きなこのご飯は人間と一緒でいいんだって。何でも食べれるって」

「あ、そうなの? でも辛いのはダメよね……きっと。じゃぁ、今日はきなこちゃん歓迎会ってことで、ハンバーグにしよっか」

「わっ、ほんと? うれしい!」

 子供はハンバーグ好きだしねー! お祝いっていえばハンバーグだよね。

「お皿は……これでいいかな?」

 と、大きなカレー皿を取り出す母君。

「あとは……お水を入れるお皿……カレー皿じゃ……飲みづらいかしら……」

 再び棚をごそごそと漁りだす母君をキッチンに置いて俺はまた自室へ戻った。


「きなこ、喜べ。母君が結構ガチで食器選んでた」

「きゅっきゅぷ!」

 喜んでいるらしい。

 そんな俺ときなこを置いてユウキは半笑いである。

「ペット用を買いに行くんじゃなくて家族用の食器だすのね……お前のかーちゃん天然?」

「天然だろうね」

 うんうん頷いておく。

 母君はわりと天然だ。そこも魅力の一つだが。

 オレオレ詐欺を天然で撃退した伝説を持っているのである。伊達じゃないのだ。


 まぁ。いつ聞いても意味わかんないんだけどね。

 俺が生まれる前の話だが、息子を騙る詐欺の電話を受けて、見当違いなことを言って詐欺集団に呆れられつつ通話を切られるという目にあったのだが。

 電話を切られたことにパニくった母君は、見当違いな場所に裸足で走り出して、Ark職員に保護され、そこで自分が詐欺にあってたと気づくという……なかなかファンキーな経歴を持っている。

 生まれる前の息子から電話って、あーたー……。


 俺が母君を支えてやらんと、いつかホントに詐欺にあいそうで怖い。

 まぁ、前世より詐欺にあってもひどい目に合わないけどね。

 サテライトによって管理されてると言って良いこの国で、犯罪が起こることはあまりない。

 まあ、傷害罪は一発豚箱行きである。詐欺罪も然り。

 しかもサテライトによる直送なので、容赦がない。

 

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