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私の二千二十三年のインクトーバー  作者: アメリカから来ました
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第二日:蜘蛛

高嶺の花。学校の皆は九森さんをそう呼ぶでしょう。でも僕なら分かる。その罪もない笑顔の後ろに悪魔がいる。僕は幼馴染と呼ばれる少女だから、もう十三年の知り合いなんだ。あの時には、彼女があどけなくて、泣き虫で、大事な大事な友人だったのに、中学生の頃から彼女のあざとい性格が徐々に明らかになった。高校に入ってから彼女と話すことがなかったけど、それでも様々な話を聞こえた。彼女が人気のある男性と付き合い始めて、彼の元彼女とドラマに巻き込まれたとか。後であの彼氏と別れて、他の男と付き合い始めたらあの彼氏達が大喧嘩になって、両方が退学になったとか。もちろん、彼女が止めたから誰でも死んでないと言われちるけど、彼女が恐らくその喧嘩の原因だろう。それ全部から彼女についてこう断言できる:薔薇にも棘がある。いや、それで彼女を褒めすぎたか。彼女はクモの巣なんだ。有象無象を引っ掛けるために大切に作り上げて、彼女の外見は綺麗だけど、それだけのものだ。そして今日、僕はあの女狐に直面するんだ。


「あ!ボクくんだ!よかった〜ボクくんと話したかったの。」

「く、九森さん、久しぶりですね。」

「えぇ、どうして敬語なの?昔のようにクモリだけでいいよ?でも何より、そう呼ばれたら私、悲しくなるわ。君に告白したがったのに…」

「こ、告白?!それって、どういう…」

「男女の中で告白って一つしかない?ボクくん、好き。私と付き合って?」

「い、いややや、彼氏がー」

「ない。別れた。そんな暴力的な彼氏がいやなの。そもそも、彼氏を作った理由はボクくんをまた仲良くになるためだったし。中学生の頃にボクくんは遠くに離れた時、いつも他人から『恋人』呼ばわりが嫌ったそうからだと思ったけど、彼氏を作った後でも近づくことしなかったから、すごぉく寂しいかった。そして二人目の彼氏をボクくんのクラスから選んで、嫉妬させようとしたのに、ボクくんが何もしなかった。多分その徳だったね。私はただ友達でいたいだけじゃなく、恋に落ちてたと気づいたの。だから…あの…付き合って…お願い…」


そうか。そういうことか。これはずっと僕の勘違いだったのか?いや、待って、これも誘いだけかもしれない!蜘蛛の巣に誘ってる可能性がある…あるけど…どうしてだろう、今の僕が彼女の涙を拭きたい気分。その拒否を怯えている涙を。


そうか。僕も九森さんが好きだったのか。


*****


少女が笑っていた。遂に幼馴染が彼氏になった事。次のデートを決めた事。彼とキスした事。一人で教室で踊りながら彼女は考えていた。


「さぁ、ボクくんに何をしよ?」


新しい獲物が引っかかった。

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