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夏のホラー参加作品

少子高齢化の弊害


うちの町は戦国時代末期に滅んだ戦国大名の傘下豪族が治めていた町だっただけに、今でも沢山の寺が町の中に建っている。


そのせいで墓参りの行き帰りに他の寺の墓地の前を通らなくてはならないのだ。


盆の墓参りに行った帰り道、肩がめちゃくちゃ重くなった。


霊がドッサリと乗っかって来ているんだろうな。


でも肩に乗った霊をお祓いする訳にもいかないんだ。


うちは総本家から見て分家の分家のそのまた分家。


だからそのまた分家の親父とお袋が眠るうちの墓と、うちにとっては本家に当たる分家の分家である爺様婆様と伯父さん伯母さんが眠る本家の墓がある寺に墓参りに来た。


まあ同じ寺の中に総本家と分家の墓もあるし、墓の場所も知っているからついでに墓参りしてはいるけど。


お袋の方の爺様婆様が眠る墓は都会に出て行った叔父さんが都会の寺に墓を建てたから、そちらは叔父さんの息子の従兄弟の領域だし。


うちにとって本家の分家の分家の婆様の実家の墓や、本家にとっては本家になる分家に嫁いで来た曾婆様の実家の墓なんかは、墓の場所も寺も知らないから俺の領域外だと思うんだ。


でも、これも少子高齢化の弊害だと思うんだけど、お盆に墓参りをしたり先祖を迎えたりする子孫が絶えた家も多数ある筈。


そういう子孫が絶えた総本家筋に嫁いで来た女性たちの実家の一応俺のご先祖様たちに当たる人たちの霊が、私の墓も墓参りしてくれお迎えしてくれっていう感じで肩に乗っかって来ていると思うんだ。


だから迷惑だけど、お祓いして貰う訳にはいかないんだよ。


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― 新着の感想 ―
[良い点] これはきついです。 いちおうご先祖様なので、むげにするわけにもいかないだろうし……。 少子化社会になると、一人の若者が多くの死者の供養をして支えることになりますね。 面白い発想です。
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