婚約破棄を予知したので、腐りきった祖国なんか捨てて、他国で幸せになってやる6
カオリとミコトの再戦で再びミコトが敗北して、カオリの使い魔になる話です。
「イオリ公爵令嬢が拉致されました。目撃証言では犯人は女が一人で男が五人の盗賊らしい六人連れだとの事です。公爵家の関係者だと思われます」
王宮にイオリの拉致の報告が届き、直ちに指名手配された。
「今度はホマ様とラセツが拉致されました。目撃証言では犯人は先日拉致されたイオリ嬢と拉致した盗賊達らしいとの事です」
ホマとラセツも拉致されたという報告が届き、王宮は騒然となった。
国家転覆を企む者の仕業と考えられて、非常事態宣言が出された。
「イオリに続いて、ホマとラセツが拉致されたのですか。犯人は女が一人で男が五人の盗賊らしい六人連れだとの事です」
カオリ達にも通信による連絡が届いた。
「女が黒髪で黒い瞳だと」
「まさかミコトじゃないでしょうね」
「ミコトがそんな面倒な事をするでしょうか」
アオイ達は女が北方の大陸では珍しい黒髪で黒い瞳だという事が気になったみたいだ。
「実はイオリは私の双子の妹なんだけど、私と勘違いされたのかもしれない。そして私の妹だと分かり、利用しようとしたのかもしれない」
「しかしイオリ嬢が仲間に加わるとは考えられない」
「いいえ、イオリなら進んで仲間に加わるかもしれない。イオリは私を忌々しいと嫌っていたから」
カオリは双子を忌み嫌う貴族の風習により、孤児院に預けられて、イオリとは一緒に暮らした事が無く、カオリだけが聖女候補に認定されたのを妬んでいたと話した。
「もしミコトの仕業だとしたら要注意だな」
「あの女は何を仕出かすか分からないからね」
「お互いに気を付けましょう」
「分かった」
「気を付けるわ」
「待って下さい。ルコ様とアラレ様には危険過ぎますので、王宮にお戻り下さい」
「お前はどうするんだ」
「ミコト達の目的は私です。決着は私が付けます」
「それなら私も残る」
「私もよ」
「駄目です。この際ハッキリ言わせてもらいます。貴方達は足手まといです」
「・・・・・・分かった」
「・・・・・・分かったわ」
二人は渋々納得してくれた。
【探知転移】
二人を王宮に転移させた。
「アオイ達も手を引いて下さい」
「断る。ミコトが絡んでいるなら、俺達も当事者だ」
「私も後には引けないわ」
「同感です。あの女にリベンジしなければなりません」
「分かりました。妹が迷惑を掛けて、ごめんなさい」
「そもそもミコトの事は俺達の問題だ。余り気にするな」
取り敢えず残った四人で決着を付ける事に決定した。
『安心しな。俺が連中の動向を探ってやる』
アサンからミコト達の動向を探るという念話が届いた。
『ミコト達を発見したぞ。此方に来られるか』
『問題無いから、直ぐに転移する』
「ミコトの居場所が判明したけど、私しか転移出来ないから、一人で向かうわ。ごめんなさい」
「仕方ないか。気を付けろよ」
「貸しにするわよ」
「頑張って下さい」
アオイ達に謝罪して、許可をもらった。
【波動感知転移】
アラレから修得した転移でアサンの居る場所に転移した。
「ミコト、今度は容赦しないわよ」
「俺の台詞だ。コイツらの命が惜しければ、直ちに降伏しろ」
「そんな酷いです」
「俺達を人質にする気か」
「あんまりです」
ミコトはイオリ達を人質に降伏を要求してきた。
「好きにしなさい、別にイオリ達がどうなろうと、知った事じゃないわ」
そんな要求に応じる気は更々無い。
「お前はそれでも姉なのか。元婚約者なのか。鬼、悪魔」
「貴女に言われたくないわね。イオリなんか妹だなんて思っていないし、ホマとは婚約破棄されて清々しているんだけど」
ミコトの非難を軽く受け流してやった。
【絶対零度】
絶対零度のスキルを掛けられたが、効果は無かった。
「何故だ。絶対零度が効かない」
「今度は私の番ね」
【拘束】
「身体が動かねえ」
「どう料理しようかな。前と同じでは面白くないし、体内に毒を注入されたい、心臓破裂なんてどうかな、全身を徐々に麻痺させて欲しい、火炙りなんて面白いと思わない」
「止めろ」
ミコトの顔色が真っ青になったので、冗談はこの辺にしておこう。
【従属】
従属のスキルを掛けて、服従させる事にした。
「・・・・・・」
ミコトは悔しそうに、私を睨み付けている。
「さてと後は貴女達の番ね」
「「「「「「「「・・・・・・」」」」」」」」
イオリ達が今の冗談を真に受けて、完全に怯えている。
【探知転移】
全員の所持金を奪い、イオリとラセツは下着姿に、ホマは全裸にして、四人を王宮に転移させた。
盗賊達は全裸にして、大木に吊るした。
「おい」
アサンが呆れた視線で睨み付けたが、当然無視した。
【転移】
私も王宮に転移して、事情を説明して、イオリ達を引き渡して、結界を張り直して、報酬を受け取った。
【探知転移】【転移】
ミコトとルコとアラレをアオイ達の居る場所に転移させて、私も転移した。
「ミコトに従属のスキルを掛けて、私に服従させたから、皆も仲良くしてね」
「「「・・・・・・」」」
アオイ達が驚愕の余り硬直してしまった。
「こんな奴が仲間だなんて、冗談じゃない」
「絶対に嫌よ」
「お断りします」
「俺だってこんな連中と仲間なんて、絶対に拒否する。ぎゃあああ」
ミコトが反抗的な態度を取ったので、身体中に激痛が走った。
「私はカオリに従う」
「私もよ。但し面倒が起こった場合はカオリが全責任を負いなさいよ」
「これは決定した事です。反論は認めません。それに皆もこき使って構わないから」
話し合いは困窮したが、カオリがゴリ押しした。
「それなら良いか」
「思いっきりこき使ってあげる」
「面白そうですね」
そしてアオイ達も納得してくれた。