1
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン
「おーい!おぉーい!リーヴくーーん!むかえにきたっすぞー!」
(……うるさい)
初日から寮の自室で不登校を心からきめていたリーヴァスは、不登校2日目にして配慮のないノックと共に崩れ去っていった。
エフェメラル都市 第3区画 シオン街にあるヘルバ学園。
ここが紆余曲折あって居候している学園である。
なんやかんやで学生生活1週間が経つ。
入学前はほぼほぼ図書館生活なのでヘルバ学園については本での知識しか知らないが昔は相当優秀な学校と記憶している。
実際に蓋を開けてみれば、無駄に広い校舎内の中にポツンとクラスが1クラスのみ。
俺をを含め全生徒16名。4年生2名、3年生は3名、2年生3名、1年生8名在籍していた。
人数が少ない時点でお察しなのだが、どうやらこのな学校は数十年前から廃校ルート崖っぷちギリギリらしい。
今のご時世、強豪校がどんどん増え古株であるこの学校は置いてけぼり、今では他で弾かれたはみ出しものや行く宛ての無い問題児達がここに集まり悪い意味で名を広めている。
と、毎日毎日何故か迎えに来るローダン・ドワイトが言っていた。
校長のあの含んだ言い方は本当に崖っぷちな訳で……俺を入学させたのは人数の足しになるからだ。絶対。
本当に名ばかり校長である。
けれどローダンも含め他はどんな事情があるか知らないけれど、ここにいる以上は皆分けありなのだろう。
今日も今日とて新手のイジメかと言うほどドアノック叩きモーニングロールをされ寮から教室までローダンと向かう。
「校長が言う通りお前本当朝弱いのな!ま、安心しろー、俺が起こしてやるから遅刻の心配はないぞ!」
「……別にいらない。俺のことは気にしなくてもいいから。」
「なんだ?遠慮してんのか?んな事気にすんなよ、俺は好きでやってるからさ!」
あの野郎……。サボるの見越して此奴に何か吹き込んだな。
たわいも無い話(一方的にローダンが喋っているだけだが)をしながら教室へと着く。
ローダンは教室到着するなり他の生徒の所へ走っていった。そんな様子を見ながら
(……律儀に来なくてもいいのに。)
リーヴァスは思う。
窓側の自席でぼーっと外を眺めていると、ガラガラッをとドアが開き幼さを残す顔立ちに茶髪で右の方で纏めて結っている女性が入ってきた。
「おはようございます!あっという間に新年度から1週間、1年目の皆さんは学校生活慣れましたか?寮生活を含めて慣れない事もあるかと思いますが遠慮なく!先生や上級生に聞いてくださいね……!」
数少ない教員の1人でクラスの担任でもあるリビオラ・バイスが元気に挨拶をし、一通り連絡事項等など朝礼で纏めて報告を行う。
「……それと。明日は"異師力"の実技が始まります!1年生徒を中心に実力を見させて頂きます。先輩達はフォローお願いしますよー!」
1週間こうして(無理やりだが)出席してみると、問題児ばかりといいながら割と授業の出席率は高いように思えた。
「おサボりはダメだからね!特に!サボり常習犯、次おサボりしたら校長に言いますからね!トラウマに残るようなお仕置をされたく無ければ、授業はしっかり出るようにですよ!」
……なるほど。察した。
ザワつく声が上級生から起こる。
「それじゃ、今日も1日がんばってこー!じゃ、かいさーん!」
こうして学園生活の1日が始まっていく。