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契約のピアスとゲーマー疑惑

師走の忙しさに全米が泣きそう

「えっ!?本当にいいのカ!?」


ああ、手伝うさ。と、私は目の前の無貌の神の片鱗である少女に胸を張って伝えた。


「……まぁ、手伝うぞ!と言ったところでだな。私は短距離走ぐらいしか取り柄が無いぞ?特に特殊能力が強いとか言うわけでも無いのだけれど……」


「手伝って貰えるのナラ、その恩義でもってお前にこのスペシャルアイテムを授けてやロウ!」


彼女は眩しいぐらいのドヤ顔でそう言うと、どこからか[銀色の飾りのついたピアス]を両耳分取り出し、私へと差し出してきた。


「そのピアスの名は『ウルトラミラージュ/厳格な幻覚』と言う由緒正しき装飾品なのヨ。ワタシもほら、こうやって耳につけているのだけれど……」


彼女はその妖しい程に黒く輝く髪の毛をサッと払うと、耳元には先程渡されたピアスの……それも黄金に輝く物を着けていた。


「このピアスは、着けた者に幻覚を操る能力を付与する効果を持っているんだケド……」


「けど?」


「効果時間が短いのヨ!」


なんだそりゃ。ネーミングセンス含めて。


「……で、これを着けるといってもピアス穴は開けてないよ?」


「貸せぃ、こうやっテ着けるんだヨ!」


彼女はやたらとネーミングセンスの悪いそのピアスを私の手からヒョイと拾うと、私の耳にそのままぶっ刺---ありゃま、痛みが無いぞ?


「なぁニ、これは特別なアクセサリーだからナ、実際には耳には何も傷はつかないのサ!」


「えっ……じゃあ、もしかして魂に結びついて私と貴方はなんかめっちゃ強い契約を結びましたー貴方はもう逃げられずに目的に最後まで協力してもらいますー……ってやつだったりしないよね?」


目を逸らすな。おい、こっちを見ろ。そっぽを向きながら口笛を吹くな。うわ口笛下手だなお前っ……


「……なんで知ってるン?」


「えっ…………ファ〇通の攻略本……?」


「もし邪神のアーティファクトの情報が載ってたら大丈夫じゃないダロ!」


ファ〇通の攻略本と聞いて「大丈夫、ファ〇通の攻略本だよ」の流れが直ぐに出てくるとかこいつは本当に邪神なのか?プレステ2のゲームとか凄いやり込んでそうな雰囲気なんだけどなぁ?サルゲッチュとか。


「まぁ、詐欺まがいの契約を結んじゃったのはいいや。とりあえずだな……」


「とりあえず……?」


「…………今後とも、よろしく!」


「邪神 ニャルラトホテプ(分体) が 仲魔になった!」


「さてはゲーマーだな貴様」


「……とりあえず、そろそろ『表面』に戻らないカ?」


「そういえばコントが楽しくて忘れてた……ええと、確か……」


先程まで薄暗い空間の中で邪神(?)と戯れていたのだが、彼女が力を使ったのか、段々と空間の色が元に戻り、それと同時に周りの人間達も元の姿へと戻っていった。もちろん、『主人公』もだ。


どうでもいいが、『裏面』だと主人公らしき人物の事を意識した時は何ともないが、『表面』だと強制的に『主人公』と言う様に脳内で文字列が置き換わってしまうようだ。


世界が色を取り戻し、完全に『表面』へと戻った。


目の前には、『主人公』と『ヒロイン』が居る。そういえば、名前を聞かれていたんだったか。


「俺の名は『十春 大理(トハル タイリ)』って言うんだ。君の名前は?」


「---あぁ、私の名前は『斧樹 羅善』。ちょっぴりスケールの大きな放浪者さ」


「へぇー!それじゃ、またいつか会えたらいいな!」


そう言うと、強盗(申し訳無いが存在を忘れていた)を引き摺って『ヒロイン』と共に『主人公』はどこかへ行ってしまった。


アイちゃんは恐らく『裏面』に居るし、色々あったが結局1人で街をウロウロする羽目になってしまった。不幸中の幸いと言うか、強盗がどこかのタイミングで財布を落としていった様で、中に入っていた金貨3枚は有難く頂いておく事にした。


---腹が、減った。


今私が居るのは『主人公』と強盗のせいで荒れてしまった広場。そして私は腹が減ったので早く飯屋を探したい。……よし、憧れていた[あの]移動法を使ってみよう。いっぺん使ってみたかったんだ!


私はその場でぴょんっと飛び跳ねた。


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そして、シュタっと飯屋の前に着地した。


1度やってみたかったんです。旅番組のロケでよく使われるカット。

コメントとか感想待ってます……


サルゲッチュ面白いですよね。

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