ノーネーム
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
体がイタイ
暗闇から聞こえる何かを刺して裂いて斬って潰す音
それが僕の体から聞こえる
死にたくても気絶したくても出来ない痛み
死なないよう、治療されながら殺されるそんな感じだ
あぁ……まだ、聞こえる
僕の体を壊す音が
僕を殺す音が
何時までも何時までも終わらない音がまだ聞こえる
意識が遠のいてきた
あぁ……これでやっと死ねる
『もういいや、これは棄てよう』
最後に聴いた声は──
『とは言わないよ』
最後に聴くはずだった声は
『クスクス、まだ楽しませてよ?』
まだ僕を壊す
『ねぇ、知ってる?指先には神経がたくさんあるんだよ♪』
「……!!……!!」
軽い調子で僕の指を少しずつ削っていく
『んー、声帯除けない方が良かったかな~?』
その方が綺麗な歌を聴けたしと声の主が言った
『まぁ、声帯があったらまた薄汚ねぇ音がでるかもだけどね~♪』
殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ
早く僕を殺してくれ!!
そうしてるうちに
『あらら~、小指が無くなっちゃったねぇ~♪ 大きく削りすぎたのかな?』
ガランと音をたてて何かを捨てた
『まぁ、これはもう終わるしいいかぁ~』
声の主はそう言い
何かをかける音が響いた
『バ~ラバラバラにしてあげる♪』
その声と共に大きな音が部屋全体に響いた