現実と妄想の間
オギャーオギャーととある病院でほどほどに元気な男の子が生まれました。これはもちろんのことですが、桃や竹から生まれたのではなく、その子の両親が頑張った結果です。
そして、彼は両親から『太郎』という名前をつけられました。平成の頃の話なので、この時代錯誤の名前で太郎くんがとんでもない勘違いを幼少期にしてしまいます。
「桃園ー!」
僕を呼ぶ声がする。そう、僕は桃園 太郎という昭和ならばよくいそうな名前だ。かの有名な桃太郎と1文字の栄誉ある名前だ。僕は桃太郎をリスペクトしている。だから、ペットを飼うなら犬猿雉にしたい。桃太郎はたったの1人と3種類の動物で敵の本拠地に乗り込み大勝を掴みとったのだ。
「なにが桃太郎だ、ただの太郎のくせに」
「太郎ちゃんは早く寝ましょうね」
小学校に通ってた頃は周りからは桃太郎大好きくらいしか考えられていなかった。中学校に入った今、『自認桃太郎のやべーやつ』ということで学校中でいじめを受けていた。それが逆に桃太郎への依存を進めた気がする。
僕の目の前に急に犬が現れた。
「桃園くん、桃園くん、団子をくれないかい? くれないならいたずらするよ!」
「団子……?」
犬はニコニコぶんぶん尻尾を振った。
「そうかそうか、桃園くん、お前はそんなやつか」
僕には確かにさっきの犬の声が聞こえた。
「この声が聞こえるなら病院へ行け!」
どこかの動物園から逃げ出したようなニホンザルが急に現れた。
「お前、どこから来た……?」
ニホンザルはお尻をポリポリかいている。なんだか、僕もお尻がかゆい……。
「行かないならオレが桃園 太郎を病院へ連れて行く!」
くるーり空から雉が急降下して降りてきた。
「辞めてよ!」
僕は叫んだ。するとそのにいるのは犬猿雉はいなかった。そこにあるのは現実だ。
これはどんな世界か?
これは誰かが見ていた現実です。よくある世界です。現実でhあ妄想の世界でなければ犬猿雉が日本語を話すことはありません。
だから、私達から見れば彼の世界は妄想の世界です。
そう、我々のいるこの現実は誰かの妄想の世界の可能性だってあるのです。
もしかしたら、この現実は人類83億人が同時に見ている妄想の世界かもしれません。
人類は神を作ったつもりかも知れないが、我々は神が長い長い間遊んでいるボードゲームの駒かもしれません。




