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この世界チート転生で無双してやるぜ!…え、チート使ったら破滅ルート一直線?チート使えなかったらただの無能何ですが?

作者:
掲載日:2026/06/21

俺、アシュレイ・フォース!


 この度、神様のミスで死んでしまいチートを貰って侯爵の5男坊として生を受けたぜ!


 魔法や魔獣の居るファンタジーな世界に貴族として転生だけでもワクワクが止まらないが、チートまで貰った俺は正に人生勝ち組ウハウハなハーレム人生の幕開けだ。


 綺麗なメイドに格好いい執事、おまけに美男美女の家族たち。そんなとこで、合法的に美女に抱きついて色々して楽しんでいたが、8歳になった今日は今までで一番ウキウキな気分だ。


 何故なら今日は俺の魔力量や適性魔法を調べ、学園のクラス分けを決める大切な日だ。この結果でチートな俺は特待生入りしてハーレム人生の幕開けとしてやるぜ!


 「って、本当はなる筈だったんだよな…」


 「魔力量15、適正魔法なし。ふむ、これはDクラス行きだな」


 「ですよねー」


 今の俺は無能として最下位クラスに入ることになってしまったのだった。


 それもそのはず、俺のチートは前世で大人気だったカードゲームのモンスターや魔法を使える様にするものだ。


 適性魔法なんざありゃしないし、周りからはモンスターを召還し、使役する意味不明な力だ。


 この世界にテイマー何て職業はなく、攻撃や生活に使う魔法や、気功を使う剣士などそういった自分が戦い強くなる世界だ。


 そんな世界で魔物を召還し、操るなど異端中の異端。このチートが周りにバレたなら魔王認定され、世界中から命を狙われる事になる。


 なら魔法のカードだけ使えば良いと思うだろうが、このチートは色々と制限がある。


 元はカードゲームなだけあって、そのルールが緩和されてはいるがあるのだ。


 そのルールの中にデッキを作り、デッキが0になるまでカードをセットし直す事が出来ないというものがある。


 つまり、一度はモンスターを召還しなければならない。


 更にモンスターを召還するには魔力が必要で、召還したならしたで倒されない限りずっとでっぱなし。


 召還も出来る数は六枚まで。


 おかげで現状魔法だけのデッキを作り、その魔法で無双することも出来ずチート無双は出来ない。


 チートはないが地道に頑張ればよいと思った君、甘い、甘いぞ。


 俺はチート無双できると思い、最悪なことに魔術適性はチートに全振りしてしまい、適性無し。


 魔力量もチートに全振りしたので、チートがなければ魔術師として平均以下の無能になっているのだ!


 まあ、赤ちゃんの時から頑張ったので、魔力は何とか平均を若干下回る程度になっている。


 レベルアップで上げる事も出来るが、俺は貴族の子供、魔物退治になんて行く事が出来なかったのでレベル1だ。


 幸い、学術は前世の下駄で何とか上位につけているので学院に入る事は出来た。


 だがこの世界、魔法の重要性は高く、この学院での地位は貴族の中で最下位にまで落ちてしまった。


 学園の生活は絶望的ではあるし貴族としての人脈作りもハードモードではあるが、不幸中の幸いというべきか、精霊や妖精のカード達はデフォルトで不可視になれるのでバレずに召還出来ている。


 現在召還しているのは幸運の小精霊 クリア・フェイトと、夜天の小精霊 祈だけではあるが。


 しかも、クリアに関しては昔、女の子に渡したため俺の管轄から外れてしまっているのだが。


 まあ、嬉しいことにあの子ととても仲良くなったようだ。


 しかも俺の管轄でなくなったせいか、クリアは幸運の大精霊にまで進化しており、滅茶苦茶強くなっている。


 悔しいが、俺としてはこのまま俺のチートで雑用要員になるよりも仲の良い子と生きていく方が良いと思っていたので祝福をしている。


 だが、この使用については納得していない。


 俺にもチートを存分に使わせてくれ。


 クリアから彼女について話を聞いていて、一方的に親近感を抱いており、2年ほど前からお菓子をクリアや祈越しに渡して応援している。


 気持ち悪い事は自覚しているが、楽しみにしてくれているらしいので続けている。


 祈に関しては俺の癒し担当、プラス隠れボディーガードだ。


 本来なら、今の俺の魔力量では召還出来なかったのだが、神様が1度だけ好きなカードを出せるだけの魔力をブーストしてくれたのだ。


 間違った世界に転生させた詫びとして!


 そう、この世界は俺が行く筈だった世界とは違ったんだ!


 俺が当初行く予定だった世界と、別の奴が行く予定だった世界を逆に送りやがったのだ。


 名前も知らない転生者は大魔導士と呼ぶに相応しい力をチートとしてもらったため、本来俺が行くはずだった世界で神童と呼ばれているらしい。


 羨ましい。


 だが、こんな事で折れるような俺ではない!


 戦闘では成り上がることは出来なくとも勉強で何とか文官、もしくはこの学園の教師となれるように頑張っていくだけだ。


 前世の知識を舐めるなよ、異世界!


 そんな俺の決意から早7年。


 俺はそこから上り詰めてAクラスになる事もできないまま、Dクラスで常に学年座学1位をキープし続けていた。


 Aクラスを筆頭に同じDクラスからさえも目の敵にされ、一人寂しく学園生活を過ごしている。

 

 ここまで人脈を作れなかった俺には、もはや貴族として生きていく事は不可能だろう。


 だが、そんな俺に最後に残されたプライドと意地と悪意のみで座学1位をキープし続けている。


 直接的な嫌がらせは祈が防いでくれるし、何より教師陣は俺に目を掛けてくれているお陰で、今では不可侵として無視されるだけとなっている。


 教師陣は俺の座学1位をきちんと評価してくれているが、魔力適正なしが思っていた以上の足かせとなり、最低クラスから上げられないといわれてしまっている。


 今年から増えたFクラスに俺はクラス替えだ。


 本来なら魔力量が少なかったとしても、適性があったらBクラスまで上げられた逸材なのにと非常に残念そうに言われてしまった。


 いや、別にいいですけどね。BクラスからはAクラスの対抗として偶に共同の訓練があるから俺としてはなりたくないし。


 なぜなら、Aクラスには、この世界の主人公といえる様なヤバい奴らがわんさかといるのだ。


 実際にこの7年でアイツらは伝説を作り続けている。



 なんでも、未開のダンジョンを発見したとか、見学に行った砦でモンスターのはぐれを討伐したとか、歴代最強と言われてる現生徒会長と同じ点数での実技試験をクリアしたとか、他にも色々していたよ。


 チート使えない俺からしたら全く関係ないし、下手に一緒に居たら死にそうだから寧ろ逃げ回っているけどね!


 俺なんか気にしないで自己研鑽に励んでくれよ!俺は魔力適正なしの無能なんだから、戦闘を申し込むな馬鹿どもが!


 おっと、少し取り乱してしまった。失礼。


 まあ、俺としてはそれなり以下の学園生活ではあるが、今日は高等部への入学式だ。


 今までのメンツはあまり変わらないが、ここから地方の貴族の令息淑女や裕福な平民や超実力者の平民が入ってくるから俺の座学1位の座とアイツらのプライドの矛先が変わってくるだろう。


 今までいた貴族連中に絶対に負けるつもりはないが、超優秀な新入生達には座学は負けても別にいい。俺の学業の優秀さは学園に伝わってるし、1位取り続けたのは嫌がらせでもあったからな。


 「てめぇ!取り消せやスカシ野郎!女の子に向かってなんてこと言ってやがる!」


 「訂正する必要はない。それと貴様も言葉遣いを改めろ。育ちの悪さが露呈しているぞ。品格と常識をこの学園で学べ」


 「んだと、この野郎!師匠を悪く言うんじゃねーぞこら!常識なら女の子に優しくしろやボケが!」


 なんで入学早々こんなベタな騒ぎ起きてんの?


 しかも両方新入生じゃねーか。え、初等部からいたアイツらが主人公達じゃなかったの?


 もしかしてあのバグ連中がこの世界のデフォルト?勘弁してくれ。


 そう思っていたら、さらに険悪になってやがる。


 祈に止めてもらうかと悩んでいたら、一瞬で鎖で二人とも縛られていた。


 何が起きたの?


 「あなた達、入学早々騒ぎを起こさないで下さい。今から生徒指導室に連れていきますから、抵抗しないで下さい」


 気づいたら二人の前で手を組みながら見下ろす、初めて見た若い美女がいた。


 彼女が連行しようと歩き始めると直ぐに、ダンディな先生が歩いてくる。


 「エノーラ先生、そのままで良いですよ。流石に初日に指導室は可哀そうですからね。ここで、一発撃って終わりにしてあげましょう」


 その言葉は慈悲に溢れていそうだが、要するに見せしめですよね、ガルド先生。行き先が保健室になるだけじゃないで「バガン!」すか。


 殺す気かこのおっさん。もうヤダこの学園。


 「おや、そこにいるのはアシュレイ君ではないですか。エノーラ先生の手伝いをしてあげて下さい。この二人がノビてしまいましたから。それにしてもこの二人は優秀でしたね、入学試験の主席とAクラスに特待生として入った平民なだけの事はあります。エノーラ先生の急襲を察知して各々逃げようとしましたから。それにしても、エノーラ先生。貴方は今年からの新人ですが、仮にも先生なのですから、相手が誰であれ圧倒的に終わらせなさい。良いですね?」


 「はい、すみませんでした」


 エノーラ先生が頭を下げているが、反応されただけでダメなのか。


 相変わらず学園の教師は化け物陣営だな。


 「エノーラ先生、俺はこの黒髪を運べば良いですか?申し訳ないですが、俺は魔法が使えないので背負うしか出来ません」


 ガルド先生が立ち去った後、声を掛けた。


 そして、エノーラ先生が此方を見ると、少し目を大きくして見つめてくる。


 どうしよ、美人に見つめられるととても恥ずかしくなるんだけど。


 「エノーラ先生?顔に何かついてますか?」


 ハッとしたあと、少し不思議そうに謝ってくる。


 「ごめんなさい、貴方の雰囲気が私の恩人に似ていたから、思わず見てしまったわ。


 貴方が噂の無能の天才君なのね。ありがとう、その子を運んでもらえれば大丈夫よ」


 ガッデム!あの学園長共め!俺の恥ずかしくも忌々しい二つ名を既に教えていやがったか!


 「あの、その二つ名は止めていただけるとありがたいです。そのせいで、無駄な嫉妬を受けてるんで」


 2人で保健室に向かいながら、世間話をしていく。


 やっぱり美女との会話は楽しいよね!


 「そうなの?ごめんなさい、まだこの学園の事を理解しきれていないの。何かこの学園の独自の風習で気を付けた方が良い事を教えてもらえるかしら?」


 「いいですよ。ドンと聞いてください。知識だけは豊富ですから」


 豪語する俺に、エノーラ先生はクスリと微笑んだ。その破壊力抜群の笑顔に、俺の心臓は再び爆発しそうになる。


 「それじゃあ、この学園のAクラスの事について教えてほしいのだけど」


 「ああ、天才君たちの事ですね。なんかこの二人もそんな感じをビシバシ感じてますけど。まあいいや、Aクラスについてですね。あいつ等はこの学園の将来有望のエリート集団ですね。授業内容もC以下のクラスとは全く違いますよ。BクラスはAクラスの補欠みたいな感じで同じ内容の授業を受けて、虎視眈々とAクラスの座を狙ってますけどね」


 「この子達はやっぱり凄い子達だったのね。そっちの黒髪の子はさっき避けようとしたし、この白髪の子はあと少しで防ぐ魔法を使えそうだったものね」


 こいつらあの一瞬でそんな事しようとしてたのか。


 「こいつらも凄いですけど、今の在籍組も相当ヤバい連中ですよ。植物魔法の天才に戦闘の才能はズバ抜けた戦闘狂に地形から変えて自分の有利に進める腹黒とかいった一人で戦況を変えれそうな奴ばかりですし。何より現生徒会長は歴代最強と有名ですから。副生徒会長も例年なら十分生徒会長になれる実力ですし。狂ってますよ今年の学園」


 俺が呆れたように告げると、エノーラ先生は興味深そうに視線を向けた。


 「ふふ、そんなに大変な学園なのね。でも、ありがとう。少し安心したわ。実は私、教師陣の中では一番戦闘力が低いから、あんなに優秀な生徒たちをちゃんと導けるか不安だったの。学園長に返しきれない恩があるから、断りきれずにここへ来たけれど。貴方みたいな親切な物知りな子と知り合えて良かったわ」


 ふへへ、照れるじゃねーかよ。


 だらしない顔にならない様に顔に力を入れて少し変な顔になってしまったので、顔を背けて見られないようにした。


 「俺に似てる恩人って学園長の事だったんですか?」


 「残念、違うわ。私には三人の恩人がいるの。そのうちの1人ね。なんだか貴方といると弟みたいに思えてしまうわ。最も弟なんて居た事ないのだけどね」


 「それは嬉しいですね。気楽に頼ってください。そして、ついでに困ってたら助けて下さいね」


 「ありがとう。ところでお菓子好き?」


 「自分でも作る位には好きですよ。どうしてですか?」


 ふと、エノーラ先生の目に不思議な光が見えた気がしたけど、どうしたんだ?


 「そうなの?ならよかった、このお菓子は今日のお礼ね。」


 そう言って、俺の口に甘いチョコ菓子を入れてくれた。


 こ、これは一体どんな状況なんだ?もしかして、この後槍でも降るのか?


 俺が混乱しているうちに目的の保健室についてしまった。


「ここが保健室よね?だれかいるかしら?」


 「い、居ないみたいですね。自分もそろそろ行かないとまずいんでここに寝かせておきましょうか」


 少し悩んでからエノーラ先生も頷いて一緒に入学式の式場に向かった。


 「あれ、そういえばあの二人のどっちかは主席入学でしたよね?このまま気絶してたら、新入生の宣誓はどうするんですかね?」


 「そういえばそうね。でも気絶させたのはガルド先生だし、大丈夫じゃないかしら?キチンとそこを踏まえた威力にしていたように思うわ。せいぜい、ボロボロの服装で宣誓するくらいじゃないかしら」


 エ、エゲツネー。


 「もしかしたら貴方に宣誓をさせるつもりなのかもしれないけどね。主席の筆記は貴方と同じ点数だったはずよ。今のうちに考えておいた方がいいかもね」


 「すみません、気分悪くなってきたので俺も保健室で休んでます。他の先生方に連絡をお願いしますね」


 「それは無理ね。さ、行きましょ」


 いつの間にか俺の体に鎖が巻き付き逃げられなくされていた。


 もうヤダここの教師たち。


 その後、ドナドナされて入学式に出た俺は、気絶した新入生代表の代わりに宣誓をさせられた。


 挨拶が終わり席に戻る際に、会場の後方で、不可視化しているはずの祈と、エノーラ先生の肩に乗ったクリアが、仲良くハイタッチしているのが見えた気がした。


エノーラ先生があの少女だったのか!?


ここから俺の、逃げの許されない学園生活が今、幕を開けるのであった。






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