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プロローグ



 ――僕は、このまま誰にも知られず消えると思っていた。


 目覚めた瞬間から、選ぶ自由がなかった。

 最後に触れた温もりは、もう遠い昔のこと。

 ホコリまみれの体。縫い合わされて、開かない口。

 感情は宿っていたのに、伝えることができない目。

 やがて僕は、心を置き去りにされ、冷たくなった。


 最後の日。夢や希望も失い、存在する意味さえ消えた。

 もう終わりだと思った。――その時。


 温かい手が、僕に光をもたらしてくれた。

 もう二度と、触れられることがないと思っていたのに。


 後で知った。

 赤く充血した彼女の瞳に込められていた意味を。

 

 僕の頬に彼女の雫が染み込んだ。

 その瞬間、胸が痛み、瞳に初めて光が宿った。


 彼女が手を差し伸べてくれたあの日のように、僕は力になりたかった。

 チェストの上から眺めているだけじゃ、彼女を救えない。

 

 だから、決心した。

 ――今度は、僕が彼女の力になる番だ。


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