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実験


 まずは、水を流す管が必要です。これは、そこらに転がっているマスケット銃を再利用すれば鋳鉄管として使えそうです。畑からマスケット銃を〝収穫〟します。


 泥を洗い落とした朝採れマスケット銃を胸いっぱいに抱え、侍女達に白い目で見られながら、王宮の工房へと向かいました。王宮の職人に依頼し、設計図通りに管を曲げたり溶接したり、穴を開けたり、ねじ切り加工したりしてもらいます。こればかりは自力では何ともなりません。


 次は厨房に向かいます。そこで、わたくしは、ボロボロのワイン小樽と、東方の国から取り寄せた食材の木箱を譲り受けました。この木箱には桐という木材が使われています。これを浮き木として使えば――。


 ノコギリやノミでワイン樽を加工していきます。


「できました!」

「ぽふぃ!」


 翌日、わたくしたちは畑に向かいました。


 まずは水管の設置です。バルブを閉めた状態で、管に水を満たし、管の片方を用水路に沈めます。残りの管を畑まで接続し、最後に穴の開いた管を接続。これを畝に寝かすように設置しました。


 さすが王宮の職人です。ネジ切りの加工精度は抜群。ここまでスムーズに作業が進みました。



「早速、テストしてみましょう」

「ぽふ! ぽふっ!」


 スイが急かすように、わたくしの周りをくるくると泳ぎ回ります。


 バルブのレバーを少し押し下げると、畝の端から端まで、一列に並んだ穴から、次々に繊細な噴水が上がりました。まるでシャワーのような柔らかな水流です。これなら野菜が水浸しになることもないでしょう。

 

「やりました!」

「ぽふぃ!」


 一度バルブを閉めます。


「次はスイちゃんの出番ですよ」


 ワイン樽を設置し、別の水管で水を引き込みます。中には浮き木を浮かべ、その浮き木を、細い金属棒に繋げます。その棒は、ワイン樽の切れ込みから差し込んだバルブのレバーに接続します。


「ぽふぅ?」


 水が満杯になったところで、スイに言いました。


「さあ、スイちゃん、この小さなレバーを下に押してみてください」


 それは、樽の下部に設けられた小さなレバーでした。


「ぽふぃ?」

「スキル〝C#〟お手」



``` csharp


var builder = WebApplication.CreateBuilder(args);

builder.Services.AddSwibo();

builder.Services.AddSkillDiscoveryMetadataGenerator();

var app = builder.Build();


app.ExposeSkillDiscoveryMetadata("csharp.お手");


app.MapPost("/", async (ISwiboContext context, CancellationToken cancellationToken) =>

{

var swibo = context.Swibos.OfType<SwiboBot>().First();

await swibo.PressAsync(cancellationToken);


return Results.Ok();

});



app.Run();


```


「ぽふ!」


 スイは、口腕でレバーを押し下げます。


 すると、樽の排水口が開き、ドバシャっと音を立てて一気に水が流れ出しました。


「ぽ!?」


 水位とともに浮き木が下がり、それに連動してバルブが開きます。次の瞬間、畑には先ほどと同様に小さな噴水が上がりました。


「ぽふぃ~!」

「まだ喜ぶのは早いですよ」


 樽が空になるとバネ機構で排水口が閉まり、ラッチ機構でロックされます。やがて再び樽の水位が上がると、浮き上がった浮き木に連動して徐々にバルブが閉まりました。噴水が止まります。


「やりました! 成功です! これでスイちゃんにも野菜作りのお手伝いしてもらえますね」

「ぽふぃ!? ぽふぃ~♪」


 スイが顕現する場所の目印として、標識幻素水晶ビーコンエーテルクリスタルを置いておきましょう。これでわたくしが外に出られないときは、スイに水やりを頼むことができます。


 改良すべき点はまだまだあります。たとえば樽に貯めた水が無駄になること。これは水路に戻すか、この水自体も水やりに再利用する必要がありそうです。それはまた追々ということで。


 こうして、わたくしは、また一歩スローライフへの道を前進したのでした。



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