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【完結】婚約者の王子より、冴えないチェリストに恋した公爵令嬢  作者: 大井町 鶴(おおいまち つる)
◆第8章 青天の霹靂 

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ルイーズの推理

「どうかした?」


報告にやってきたデニスの顔がなんだか険しい。


「お嬢様、これから報告するのはあくまで1つの可能性です」

「………そんな言い方をされると身構えてしまうわ」


なんとなく頭で想像したことを言われそうで、苦しくなった。


「そこにかけてちょうだい。ジーナはお茶を用意して」


とりあえず心を落ち着けるためのお茶を用意してから話を聞くことにする。目の前に紅茶が用意されると、大きく息を吸った。


「さあ、話して。あなたはなにを見てきたの?」

「……アードルフ様はある女性を見ておりました」

「それはもしかして、女性の店員さんかしら?」

「ご存じなのですか?」


デニスが意外だ、というような表情をする。彼は当日、護衛当番ではなかったから、ルイーズたちがあの店に行ったことを知らない。


「ええ。アードルフたちはその女性店員の顔を見て、妙な顔をしていたの。私の推測では、彼女は彼らの知り合いのはずだわ」

「そうでしたか........彼女が何者かはご存じではないのでしょうか?」


レウルスから聞いた情報くらいしか知らない。


「お金を必要としていて毎日、勤務しているのでしょう?」

「そうです。ほかの女性店員を口説くフリをして話を聞き出したんですが、彼女はだいぶ働き者みたいですね。子どもがいて養うのに大変なのだとか」

「子ども……?」


子どもがいるとは初耳だ。彼女は子どもがいるようには見えなかったが、すでに子どもがいたとは。


「子どもがいるなら、彼女が働きに出ている間は家族がその子を世話しているのかしら?」

「それが、頼る家族がいないらしくて苦労しているみたいです。本日はそこまでしか調査できなかったのですが、もっと詳しく調べましょうか?」

「頼る家族がいないですって?........もっと詳しく調べて来て」

「かしこまりました」


ルイーズの考えでは彼女はきっとアードルフの元婚約者なのだろうと考えていた。


(王都に戻り、子どもを抱えながら働いているならば、実家には頼っていないのね。子どもがいるならば、実家を頼るべきでしょうけれど.......)


きっと彼女は駆け落ちしたことで勘当されているのだろう。


(労働経験もないであろうお嬢様があのような店で働くとは.......。子どもを抱えて.......。夫である男性はなにを考えているのかしら?)


駆け落ち相手のことは知らないが、男性に腹が立つ。


「........あの、お嬢様、まだ事実は判明しておりません。気を落とされぬよう........」


ルイーズが険しい表情で考えていたからだろう。デニスがおそるおそる声をかけてきた。


「え......?どういうこと?」

「お嬢様は、あの女性がアードルフ様の元恋人で、子どもはアードルフ様との子どもだとお考えなのではと」


彼はルイーズが深刻な様子なので、そう推理したらしかった。


「私はね、彼女を彼の駆け落ちしたという元婚約者だと考えているの。だから、子どもはきっと駆け落ち相手との子どもよ」

「そうなのですか........そうであれば安心しましたが。でも、いずれにせよ、気になる事態です」

「ええ」


真剣に自分のことを心配してくれるデニスは、忠実で良い使用人だと思った。


「駆け落ち相手とうまくいかずに戻って来たのかしらね?夫の男性はなにを考えているのかしら?」

「オレも、彼女がどういう事情でこちらに戻って来たのか知りたくなりました」

「アードルフの婚約者になるほどの令嬢だったのだから、彼女は貴族であるはずだわ。.........あのような店で平民として働くなんて」


だからこそ、アードルフたちはとても驚いた顔をしたのだろう。


(幸せに暮らしていると思ったら、まさか近くで店員として働いていたのだものね.......)


「相手の男性に腹が立ったけど、もしかしたら、ケガや病気で働けない状態なのかもしれないわよね。いずれにせよ、どんな事情があるのか調べなくてはならないわね」

「はい。オレにお任せ下さい」


ルイーズはうなずいた。


..........休む時間となり、ベッドに入ろうとしたが眠れそうにない。


ジーナが、良い睡眠がとれるという香り袋を渡してくれた。ラベンダーの香りがする香り袋だった。


(アードルフ、かなり動揺していたわね........)


アードルフをかつて傷つけた人である。彼女が現れて、動揺するのは分からなくもない。だが、あの店に通うのはなぜなのか。


(もしかして、まだ気持ちが残っているから、彼女を気にして通っているのかしら........)


あれほど、自分との距離を縮めようとスキンシップを図ってきた彼である。突然、それも激減して、一人取り残されたような気持ちになる。


(私がフラフラしているからいけないのかしら........)


アードルフに気持ちを定められないことで天罰が下ったのだろうか、と思えた。


(結局のところ、私は男性を引き付けておくほどの魅力がないのでは)


ヘンリーも自分に首ったけだったら、リリアンなど側に置かなかったはずだ。


「.......寝ながらの考え事はどうしてもマイナスになりがちね」


ラベンダーの香り袋を嗅ぐ。ベッドの中でまんじりとして過ごしたルイーズであった。

デニスは、本気でルイーズを心配しています(気さくに接してくれるご主人を慕っている)


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