表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】婚約者の王子より、冴えないチェリストに恋した公爵令嬢  作者: 大井町 鶴(おおいまち つる)
◆第8章 青天の霹靂 

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

88/205

知り合いの女性店員

新しくグラスビールが運ばれてきても、彼らの様子がおかしいままだった。


ちなみに、グラスビールを運んで来たのはほかの店員だ。


「………さっきの店員さんは知り合いだったの?」

「まあ、そんな感じかな………それより、飲もう!」


フローレンスが急ぐようにグラスビールに口をつけた。


「ルイーズもたまにはビールを飲みなよ」


フローレンスが自分のグラスビールを渡してくる。


「え、フローレンスが飲んでいるビールでしょ?」

「いいじゃん。女同士なんだし。回し飲みするくらい大したことないし」

「そういうことではなくて。せっかく頼んだビールが減ってしまうでしょう?」

「いいの、いいの、ほらこうすれば問題なし!」


フローレンスはジョッキからグラスにビールを勢いよく注いだ。雑に入れたものだからビールがテーブルにこぼれて広がる。


「ああ、ビールがこぼれた!」

「これで拭いて!」


急いでテーブルを拭いたりしていると、女性店員のことは頭から抜けていった。


…………飲んだり食べたりしているとあっという間に小一時間ほど経った。あれからフローレンスやコンラート、アードルフは浴びるようにビールを飲んでいる。


ルイーズも付き合う程度でビールを飲んでいたが、胃が膨れて苦しい。お手洗いに行こうと立った。レウルスもつられるように席を立つ。


「ルイーズ、手洗いまでオレが付き合うよ」

「あー、僕が行くよ」

「お前は酔っているじゃないか。大人しく座ってろよ」


レウルスは立ち上がったアードルフを座らせると、ルイーズを連れて手洗いの方へと向かった。


「……私だけでも大丈夫よ?今日はそれほど飲んでいないし。ビールって脹れるでしょう?あまり飲もうと思っても飲めないわ」

「でも、顔が赤い。放っておけない」

「………」


レウルスからそんな言葉を言われるとなんだか断れない。


(レウルスは私に告白してから、積極的になったようだわ)


別荘に無理やりついてきてそれとなく守ろうとしてくれたり、こうして面倒をみてくれたりするのは......やっぱり嬉しくなってしまう。


「さっきのことだが………」

「え、なに?」

「女性店員を見た時のあいつらの表情のことだ」

「ああ、あれね。変な感じだったわ。.......そういえば、あの女性店員がいなくなってしまったみたい。勤務時間が終わったのかしら?」

「さあな……。あの女性のことが気にならないか?」

「気にはなったけど………。なんだか触れていはいけない気がして」

「......そうか。ほら着いたぞ。ここで待っているから」

「ありがとう」


“待ってる”と言われて、傍から見たらまるで恋人同士のやり取りみたいに見えるのでは、という気がした。


レウルスはルイーズが恋人として受け入れるとは言っていないのに、いつもと変わらないような態度で側にいてくれる。


(変に避けられるよりは良いけれど..........)


レウルスには、拒絶されたらと思ったら金賞をとるなり告白されて、未だ複雑な気持ちがしている。彼に理由を説明されたが、やっぱり自分勝手ではないか、と思えてしまうところがある。


手洗いから出て来ると、レウルスがディーターの兄と話をしていた。


「……そうなのか。教えてくれてありがとう」


お金をそっと渡している。ディーターの兄は断っていたが、レウルスが強引に渡すと、大人しく受け取っていた。


「………すみません、ではなにかあればすぐにお呼びください。では」


すぐに部下の店員に呼ばれて去って行った。


「今のはなに?」

「…………詮索しない方がいいだろうが、たまたまディーターの兄が前を通ったのもあって、先ほどの女性店員について尋ねたんだ」

「彼女はどんな人だったの?」

「それが、王都出身というだけで詳しくは分からないらしい。金が必要らしく、ほぼ毎日ここで働いているそうだ」

「そう…それは大変ね」


あのような重いビールジョッキや、アツアツのソーセージ皿を運ぶのはとても大変そうだ。しかも、お酒を出す店である。酔って絡む男性客や女性客もいるだろう。


席に戻ると、フローレンスたちはすっかりできあがっていた。


「あなたたちがお酒に飲まれるなんて珍しい。アードルフはともかく」

「ははは、なんだか今日は皆、解放的な気分になってしまったんだよ」

「お手洗いに行って来たら?待っているから」

「そうね、コンラート、アードルフ兄を連れて行ってくれない?」

「ああ。アードルフ立てるか?」

「立てるに決まってるだろう。コンラートこそ、ちょっとフラついているぞ」

「いやいやそんなことは」


ワイワイ言いながら手洗いの方へと去って行く。


あの女性店員を見て驚いた表情を見せたのは、気のせいだったのかなと思えたルイーズであった。

なにに動揺したのでしょうか


もし、作品が「いいな」&「気になる」と感じていただけましたら、

本文下の【ブックマーク】と【☆評価ボタン】をぜひ、ポチッとお願いいたします(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾

そっと寄せていただける感想も、とても励みになっております( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )


※更新は毎日19時20分頃更新しています。

引き続きお楽しみいただけたら嬉しいです٩(´꒳)۶

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ