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【完結】婚約者の王子より、冴えないチェリストに恋した公爵令嬢  作者: 大井町 鶴(おおいまち つる)
◆第8章 青天の霹靂 

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ディーターの兄がいる店へゴー

6人で気ままに歩きながらお店まで歩いてきた。


ディーターの兄が働いている飲食店はトリアの王都でも賑わう一角から少し脇に入った所にあった。


「こういった脇道にこそ名店というのはあるものよね!」

「おいおい、僕の店は人の目に触れやすい立地に堂々と出しているのに、そういうことを言うのかよ」


フローレンスにアードルフが文句を言っている。


「別に悪口じゃないし。隠れた名店、という意味で言っただけだよ」

「ふむ。隠れた名店ね。今度、店を出すとしたらあえて脇道に店を構えてみようかなぁ」

「アードルフは商売が好きだな。多才だ」


コンラートが褒めると、アードルフが嬉しそうな顔をする。


「そうね。すっかり忘れていたけれど、アードルフはお店も経営しているのだったわ」

「そうだよ。と言っても、人に任せて管理させているから楽はさせてもらっているけどね」


アードルフは器用で音楽以外にも店の経営にも意欲的である。彼は幅広い分野に関心を持っていた。


「アードルフは器用ね」

「ルイーズは一直線だよね」

「不器用なのよ」

「それは一途とも言えるステキなことだよ」

「あら、ならアードルフは一途じゃないということになる?」

「ちょっと、そういうことを言っていじめないで欲しいな」


腰に腕を回される。


レウルスもいるのに、気まずい。


「公共の場でイチャつくなよ」


レウルスが言った。


「そうだよ、アードルフ兄はすぐどこでもルイーズにくっつくじゃん。良くないよ」


珍しくフローレンスがアードルフを叱っている。


「分かったよ。仕方ないなぁ」


アードルフは仕方なさそうにルイーズからほんのちょっと離れた。


一向が店に入ると、レンガ造りの店内はとても雰囲気があって、食欲をそそるソーセージの焼ける良い香りが漂っている。


「ディーター!よく来たな!」

「兄さん!」


ディーターは兄に躊躇なく抱きついた。お兄ちゃん子らしい。


「皆さんは、ディーターのご学友でしょうか?うちの弟が世話になっています」


ペコリと頭を下げるディーターの兄は体格が良く、接客する様子も板についている。


「兄さんは僕よりも一足先に王都に出て来てここで働いていたんだ。今はマネージャーだよね?」

「ああ」


確かに、ディーターの兄の胸にはマネージャーの印が付いていた。


「今日は、美味しいという評判を聞いて偵察に来たのさ」

「え、偵察ですか?」

「アードルフ兄!冗談にならない冗談はヤメて!……変なことを言ってごめんなさいね。席に案内してくださる?」

「ええ、こちらへどうぞ」


店内の奥へと案内されて歩いていると、ちょうど夕方の食事時なのもあって店が混んでいた。料理や酒を運ぶ店員も忙しそうである。


「かなり繁盛しているわね」


アードルフにルイーズが言うと、彼はちょっと悔しそうにしている。


「うちでもソーセージを扱おうかな」

「経営者の顔になっているわよ」

「……カッコ良く見える?」

「そうかも。さあ、早く席につきましょう」


軽く流すとアードルフは拗ねた。そんな姿をレウルスは冷めた目で見ている。


.........席につくと、さっそく名物のウインナーとビールを注文した。ルイーズはアルコールの入っていないジュースを頼む。


「ルイーズもお酒を頼めば良かったのに」

「誰かさんたちが酔いつぶれたら大変でしょう?酔っていない人がいなければキケンだわ」

「あ~、この前は特別な状況だったから……。今日は大丈夫だよ」

「オレもだ」

「どうかしら?」


頼んだ飲み物がさっそく運ばれてきた。飲み物を手にすると皆で乾杯をする。


「うわー、ビールジョッキが重い!下手したら手首を痛めるかもしれないわ」


フローレンスが言うと、コンラートがすぐさま自分のビールジョッキを置いて、フローレンスのビールジョッキをサッと持った。


「ほら、こうして私が持っているから飲むといい」

「……ちょっと!コンラート、はずかしいってば……!」


2人のやり取りがなんだか微笑ましい。コンラートもフローレンスの世話を焼きたがるようになってフローレンスが照れるというシーンが増えてきた。


「コンラート、それだとあなたがビールを飲めないでしょう?グラスビールを頼んだらいいのでは?」


ルイーズは、2人のお邪魔になるかもしれないと思いつつ、コンラートのビールがぬるくなったら美味しくないだろうと言ってみた。


フローレンスもそれがいいというので手を挙げて近くの店員を呼ぶと、こちらに気付いた女性店員が気付いて小走りにやって来た。


「グラスビールを頼みたいの」

「はい、かしこまりました」


女性店員が言い終わると、ハッとした表情になる。なんだろうと思うと、彼女は自分ではない誰かを見ていた。


視線を辿ると、フローレンスやコンラート、アードルフの方を見ている。


彼らの表情もなんだかおかしい。


「エレオーラ……!」


ガタンと椅子が倒れる音がして、アードルフが立ち上がった。


「す、すぐグラスビールをお持ちしますので……!」


エレオーラと呼ばれた女性店員は、その場を急いで去って行った。


ルイーズはただならない様子に困惑したのだった。

なにが起きた.......?


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