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【完結】婚約者の王子より、冴えないチェリストに恋した公爵令嬢  作者: 大井町 鶴(おおいまち つる)
◆第7章 新しい道は

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レウルスの後悔と闘志

レウルスはその日、音楽院の仲間と共に街に出ていた。


レウルスは音楽家として早く成功するためにも音楽院の生徒とも積極的に関わるようにしていた。


考えを改めてこうして彼らと付き合ってみると、疲れはしたが得るものも多い。ストイックに練習だけに打ち込むのではなく、幅広く世の中を見ようと思っていた。


...............が、見たくもないものを見てしまった。


「あれ、アードルフ様とルイーズ様じゃないか?」


仲間が向こうの通りを歩くルイーズたちを見ている。


腕を組んで仲良く歩くアードルフとルイーズの姿があった。


「仲いいよな。音楽院でも2人でいるところを見かけたことがあるけれど、休日はああやってデートしているんだなあ。ラブラブってやつだ」


レウルスは、頭をガツンと殴られたような衝撃を受けていた。


(ルイーズは、オレの言葉を“拒絶”だと受け取ったのだな………)


あの晩の馬車内でのことは、酔って起きた事故だと言ってしまった時点で、ルイーズは自分に失望するのではないかとは予想していた。


(ルイーズはオレに見切りをつけてアードルフと本気で付き合うことにしたのか………)


レウルスもあのままルイーズを抱きしめ続けられたらどんなに幸せであっただろうと思う。だが、今の自分にできることは限られている。中途半端に手を出すわけにはいかなかった。


(オレは……もう少しきちんとあの晩のことについて自分の気持ちを話しておくべきだった)


今になって後悔した。握られた手がブルブルと震えてくる。


「レウルス、あのカフェ行ってみないか?今度、気になっている子を誘うのに下見したい」


仲間がのんきな言葉を言っている。


「………すまない、用事が」

「おいおい、奢ってやるから付き合えって」


新しくできた友人は、レウルスを強引にカフェへと連れて行く。不幸にもそのカフェには先ほどアードルフたちが入って行ったカフェであった。


「アードルフ様たちがデートするくらいだからいい店だよな」


友人は興奮したように話している。ちらりと見ると、アードルフたちは半分個室になった窓際の席に案内されていた。窓際に比べてこちらは少し暗い席だからあちらからは見えにくいだろう。少しホッとする。


窓から入るふんわりと太陽光に照らされているルイーズはとても美しく見えた。


(ルイーズは綺麗だ)


美しいとはずっと思っていた。ルイーズの父も亡きルイーズの美しい母を溺愛していたらしい。彼女は社交界でも人気のあった令嬢で、政略結婚だったがとても仲が良かったのだとレイニーが言っていた。


ちなみに、レイニーがなんでそんなことを知っているかというと、父から聞いたようだ。


(レイニーもルイーズの情報を集めるほど気に入っていたな)


そんなルイーズは手の届かない存在になりつつある。トリアの王族であるアードルフとの交際は、彼女の公爵令嬢という立場を際立せている。


(胸が苦しい。恋のつらさとはこういうものなのか)


胸の痛さに耐えるしかなかった。


(今のオレがするべきことはなんだ)


このまま諦めるのか?と自分に問う。


(いや、諦めたくない。.........自分のやるべきことをしながらルイーズに見合う男になるのだ)


この気持ちは、自分を慕ってくれていたルイーズが離れてみて芽生えた気持ちであった。


「レウルス、なにをボーッと考えているんだよ。お前ってけっこう考えている時間が多いよな」

「お前だって自分の未来は気になるだろう?」

「真面目だな。悩んでいても解決できないだろう。続けていくことだけが、自分の道を切り開くことになるんだぜ」

「いいこと言うな。まさにその通りだ」


レウルスに褒められた友人は得意そうにした。自分も前向きに考えようとするが、どうしてもあの2人が目に入ると胸が痛くて仕方がない。


紅茶とケーキを食べ終わると、友人を急かしてカフェを急いで出た。絶対に顔を合わせたくなかった。


..........そう思ったのにだ。


「レウルスじゃないか」


後ろを振り返るとルイーズの腰を抱いたアードルフがいた。隣には驚いた表情のルイーズがいる。


「お前が友人とカフェに来るなんて珍しいな」

「そちらこそ」

「僕たちは友人じゃない。()()()()()()()さ」

「うわあ、惚気られると羨ましいです!」


調子の良い友人が大げさに言った。


「ふふ、君たちもいずれふさわしい相手が見つかるさ」


アードルフが軽い調子で答えた言葉に、レウルスはカッとした。


(ふさわしい相手だと……? オレは絶対にルイーズにふさわしい男になるぞ。見てろよ)


レウルスはかつてない闘志を燃えたぎるのを感じた。ルイーズは困惑したように見ていたが、目が合うと視線をそらされた。


「ルイーズ!練習をしろよ。オレはすぐに追いつく!」


レウルスの放った言葉にその場にいたアードルフや友人、ルイーズがポカンとする。


「.......なにを言っているんだ? ルイーズは音楽家ではあるけれど、余裕のある音楽家になるんだ。けしかけないでくれよ」


アードルフがレウルスに言う。ルイーズはじっとアードルフの顔を見ていた。


「ルイーズ、話しててごめん。行こうか」


なにか言いたそうなルイーズを連れてアードルフはレウルスたちの側を離れて行ったのだった。

静かな戦いが勃発


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