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【完結】婚約者の王子より、冴えないチェリストに恋した公爵令嬢  作者: 大井町 鶴(おおいまち つる)
◆第6章 交錯

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ヤキモキする舞踏会

急に開かれることになった舞踏会には、音楽院に通う生徒も多く招待されていた。


というのも、彼らも演奏者の1人として交代で演奏をするからだ。アードルフやコンラート、フローレンス、ルイーズが音楽院に所属しているということで提案されたのだった。


「ドレス姿で演奏しづらいわね」

「確かにそうね」


フローレンスが、袖口が楽器に当たるのを気にして思い切って肩が出たデザインのドレスにしようかと悩んでいた。


「肩のラインが美しいわよ」

「ふふ、やっぱりそう思うわよね」


ドレスショップに来ていた。賑わっているからほかにも急遽、ドレスを買いに来た者が多いのだろう。


「コンラートと一緒にドレス選びをしたら良かったのに」

「う~ん、まあコンラートはやることが多くて大変そうだから」


コンラートとフローレンスは割とサッパリした関係だった。仲は悪くはないが、お互いを尊重しているせいもあって、常にベッタリというわけではないみたいだ。


「ねえ、フローレンスはコンラートを愛しているの?」

「なにを突然………。愛してるわよ。私のことを分かってくれるもん。アードルフ兄を慕って音楽院に入るってずっと言ってたら、コンラートも音楽院に入学していたし」

「理解者って大切よね」


ルイーズが言うと、ヘンリーのことを言ったのだと思ったフローレンスがフォローしてくる。


「ルイーズはこれからそういう人に出会うのよ。神様は見ていて下さるって」

「ありがとう。だといいけれど」


ドレス選びが終わると音楽院に戻り、いつものように練習をして帰宅したのだった。


………舞踏会の日がやってきた。アードルフがルイーズの屋敷まで迎えに来た。


「ルイーズ、キレイだ」


ルイーズは少しくすんだ落ち着いた印象のピンクのドレスを着ていた。父が以前、贈って来たものだった。アードルフがドレスを贈ると言ってくれたのだが、本当の恋人ではないのだからと断っていた。


「ありがとう。あなたも素敵よ」


舞踏会用の衣装に身を包んだアードルフはとてもクールに見えた。褒めると彼は照れた。


「今日は宜しく」


馬車で会場に向かうと、皆がいた。音楽院の生徒も大勢いる。音楽家として成功したい彼らは張り切っていた。


「ルイーズ、そのドレス素敵!」

「フローレンスこそ素敵よ」


2人して褒め合っていると声をかけられた。


「皆に紹介したい。イザベラ夫人だ」

「こんばんは。はじめまして私はイザベラと申します。レウルスから皆様の話はよく伺っていますわ」


レウルスの横に立つイザベラ夫人は年齢を感じさせない美しい人だった。大人の魅力が漂う女性だ。


(イザベラ夫人の方がレウルスよりも7歳ほど年上なはずだけど、ピッタリに見えてしまう)


レウルスも落ち着いて見える方だからイザベラ夫人の隣にいても違和感がない。しかも、今日のレウルスはいつものしかめっ面は封印していて貴公子らしく振る舞っている。


(いつもと全然違う)


イザベラ夫人としばらく会話をすると別れた。間もなく演奏が始まりダンスが始まる。


「踊ろうか」


アードルフが会場の中央へとルイーズを連れて行く。目立つ場所で踊り、アードルフは恋人の存在をアピールしたいようだ。


「緊張するわ」

「大丈夫」


アードルフはニコリと笑うと、ルイーズを引き寄せて踊り始めた。


「もう少しくっつこうか」


腰にあった手に力が入れられたかと思うと、近くに引き寄せられる。ほとんど密着した体勢になった。


「くっつきすぎじゃ......」

「今日は僕のために協力してくれるんでしょ?」


そう言われれば、断る理由もなくされるがままダンスを続ける。


「キレイだよ、ルイーズ」


歯の浮くようなセリフをサラリと言うアードルフが少し憎たらしく思えた。


「アードルフが人気あるの、分かる気がするわ。誰にでもスラスラと褒め言葉が言えるのだもの」

「確かに僕は人気があって言い寄られることも多い。だけど、今はルイーズしか目に入らないな」

「この浮気者」


ふざけてルイーズが言うと、アードルフが微笑んでおでこにキスしてきた。


そのまま楽しく踊り終えると、音楽院のクラスメートと話したりした。


ふと見ると、レウルスがイザベラ夫人とダンスしていた。


(わあ……美しいわ)


イザベラ夫人はどこか哀愁漂うような表情でダンスを踊っていた。ただ踊っているだけなのに惹きつけられる。


(レウルスはイザベラ夫人の瞳を真っすぐ見つめているわ)


動きがあまり少ないダンスだから余計に真っすぐ彼女の瞳を見ていた。


(くやしい……)


側にいたウェイターからグラスを受け取ると、グイッとワインを飲んだ。


「あ、ルイーズ、君はお酒が弱いだろう?」


アードルフが言うが、もう一口グビリと飲む。


「これから演奏があるの分かってる?」

「大丈夫。さすがに1杯ぐらいじゃ酔わないし、対策してきたから」


酒を飲むだろうと思って、酔いにくくなる茶を飲んできていた。


その後、ルイーズの演奏は宣言通り問題なく終了したのだった。

レウルスは舞踏会のために、密かに1人の時もダンスを頑張って練習していました。


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