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【完結】婚約者の王子より、冴えないチェリストに恋した公爵令嬢  作者: 大井町 鶴(おおいまち つる)
◆第6章 交錯

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落ち着かないレウルス

「オレと組むのがそんなに嬉しいのか?」

「ええ、とっても」

「..............酒を飲んでいるわけでもないのに、素直に反応するから驚いた」

「あら失礼ね。お酒を飲んでいなくても私は素直よ。でもね、これはアードルフのおかげなの」

「アードルフ?」


レウルスがしかめっ面になる。


「恋人同士ってもっと素直に気持ちを伝え合うのですって。あなたとは恋人ではないけれど.......これは恋人でなくても使えるでしょう?せっかくだからと、いろいろとアードルフに教えてもらっているの」

「いろいろと教えてもらってる?」

「ええ、いろいろと」

「なにをだ?」


いきなりレウルスに手を掴まれた。


「レウルス?ビックリするわ」

「..........無意識に手を掴んでしまった。すまない。……それで、いろいろってなんなんだ?今日、食堂でアードルフがやたらとルイーズに触れていたが、まさかそちら方面か?」


レウルスがルイーズの手を離すと、心配気な表情を向けてくる。


「そちら方面だなんて、変な言い方しないで。...........でも、ちょっと最近、アードルフのスキンシップが多いかなって戸惑うのだけど」

「困っているならきちんと話せ。やつは調子に乗るから言わなくては伝わらない」

「ええ。そうするわ」


レウルスに心配されると嬉しくなって表情が緩んでしまう。


「ところで、レウルス、旅行中の話を聞かせて」

「ああ」


それからしばらく演奏旅行の話を聞いた。評判がよく、来年の夏にも演奏旅行を計画する見通しだという。


「後援者の方は顔が広い方なのね。音楽院を卒業しても、あなたが困ることはなさそうだわ」

「ルイーズはどうするんだ?留学期間は1年だっただろう?」


ヘンリーがメッツォに帰国したことは話している。大人しく帰ったことですでに1年の留学期間は継続していると認識している。


「もう少ししたら、私と殿下の婚約話は無くなるはずよ。殿下はリリアン様と共に人生を歩むと決断したみたいだから」

「........それで良かったのか?」

「いいに決まってるわ。もう道はとっくに違えてしまったんですもの。リリアン様のせいでもあるけど、リリアン様のおかげでもあるわ。あと、アードルフのおかげね」

「……アードルフと本気の付き合いをすることはあり得るのか?」

「それはないわ」


アードルフの過去の事情を知っているルイーズは即座に否定した。


「どうしてそう言い切れる?」

「レウルスこそおかしなことを言わないで。私は……」


レウルスをしばし見つめた。


「........レウルスの手、よく手入れされているのね」


レウルスの手に触れた。レウルスがビクリとする。


「........男の手に簡単に触れるなんて、アードルフの悪影響だな」

「ずっと、レウルスの手に触れたいって思っていたの」


レウルスの手を両手で包んだ。ふっくらしていて心地よい。心なしかレウルスの顔が赤らんだ。


「口説くことも習っているのか?」

「口説くだなんて……私は逆の立場がいいけれど」


(レウルスから口説かれるなんてことは........今の状況だとあり得なさそうね)


「アードルフにもっとアドバイスしてもらったら、あなたを口説き落とすこともできるのかしら?」


冗談めかして言う。


「ばかなことを言うなよ........」


レウルスは言葉とは裏腹にルイーズの手を握る。お互いの目が合う。胸がドキドキした。


「トリアに戻って来た時に、ルイーズの事情が緊迫していて驚いた。アードルフでなければどうすることもできなかっただろうと思うと.........。自分にもどかしさを感じていた」


独白するようにレウルスが言う。


「心配してくれただけで嬉しいわ」

「オレではルイーズを助けてやることは難しかったよ」


自嘲気味に言うレウルスが気になった。


「私はレウルスにどうにかして欲しいと頼んだわけではないわ」

「........それでも、オレのファンだと言ってくれたルイーズを助けたかった」


レウルスの言葉を聞いてルイーズは複雑な気持ちになった。


(オレのファンだと言ってくれたルイーズ、だなんて。私、レウルスにまだ妹としてしか見られていないのね)


レウルスの心配は、妹を思うような気持ちからだと思うと虚しくなった。


「........今日はありがとう。また学園で会いましょう」


席を立つと、レウルスも席を立とうとした。


「レウルスの馬車は10分後に来させるわ。それまでここにいて」

「.......分かった」


なにか言いたげな表情のレウルスを残してルイーズが店を出ると、馬車が迎えに来たところだった。中からどういうわけかアードルフが降りてきた。


「アードルフ?」

「迎えに来たよ」

「どうして?」

「僕の恋人なんだから、迎えに来るのは当たり前だろう?」


ルイーズの手を取ると馬車へと乗せる。


「楽しかった?カルテット、OKしてくれた?」

「ええ」

「なんだか元気ないみたいだ」

「そんなことないわ」


そんなやりとりをする姿をレウルスは個室の窓から見ていた。


(まるで本物の恋人みたいだな………)


レウルスは胸がしめつけられるような痛みを感じていた。

アードルフのアドバイスとやらが気になって仕方がないレウルス


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