表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】婚約者の王子より、冴えないチェリストに恋した公爵令嬢  作者: 大井町 鶴(おおいまち つる)
◆第6章 交錯

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/205

リリアンの決意とカルテットの誘い

本日から第6章に入ります。ヘンリーとのことが落ち着いたと思ったら、また新たな問題が出て来る気配がする......?

リリアンに手紙を兄経由で手紙を送ってから、リリアンからも兄経由で返信が届いた。


《ルイーズ様、私のことを認めてくれてありがとう。私、ヘンリー様がどうしても好き。今、国にいる婚約者との破談の話し合いを進めている最中なの。ヘンリー様にも伝えたら、“分かった”って。私の気持ちが本気だってやっと分かってくれたみたい。


すっごく嬉しかった。だから、ルイーズ様はトリアでしっかりと音楽を勉強してきてね。あと2年くらいゆっくりしてくればいいんじゃない?応援しているから!》


彼女らしい手紙だった。


ヘンリーは、自分がアードルフと破局でもしたら再び受け入れるとは言ってくれたが、どうやらリリアンの気持ちを受け入れることにしたようだ。


(殿下もやっとどうするべきか決めたのね)


もうしばらくしたら、ルイーズとヘンリーの婚約話も解消されることだろう。婚約が解消されるならば、トリアにいる方が騒ぎも大きくならず都合が良い。


(やっと、やっと私は自由になれるのね)


トリアの留学した今、自分がヘンリーの妻にならないことは大きな痛手にはならない、そう思えた。


.......その日、ルイーズが音楽院に行くと授業内で弦楽カルテットをつくるように言われた。クラスにこだわる必要はないという。ならばと、さっそくレウルスを誘うことにした。


食堂へと向かうレウルスを見つけて話しかける。


「レウルス、今日の放課後、時間ある?旅行の話も聞きたいしあなたに頼みたいことがあるの」

「今日なら大丈夫だ」

「今日なら?そんなに言うほど忙しいの?」

「音楽院の生徒なら皆、いつも忙しいだろ」

「確かに。じゃあ、放課後に久しぶりにカフェに行かない?」

「………いいのか?アードルフと付き合っていることになっているんだろ?」

「個室を予約しておくわ。行きと帰りを別にすれば大丈夫でしょう?」

「密会みたいだな」

「本当ね。アードルフには説明しておくわ」

「ああ」


食堂でアードルフの姿を見つけると、そこで別れた。恋人のフリは続いている。皆で食事してもいいのだが、アードルフがこのところ、“婚約者を選ぶ圧力をかけられているからなるべく2人の姿を見せつけたい”と言うから2人でいることが多い。


「アードルフ、今日の放課後なんだけど、レウルスとカフェに行きたいのだけどいい?」

「レウルスと?どうして?」

「どうしてって……演奏旅行の話も聞きたいし、なにより、授業内で弦楽カルテットをつくるように言われたから彼を誘いたいの」

「フローレンスじゃなくて?」

「フローレンスとはコンラートカルテットでも一緒だから。レウルスの実力もアップしただろうし、組んでみたいわ」

「そうか。なら行ってくるといいよ」


おでこにチュッとされる。


「アードルフ、さすがに人が多いところでおでことはいえ、キスするのは…」

「今、僕はピンチなんだよ。仲良くしないと」

「でも………」

「放課後はレウルスと出かけるんだろ?出掛ける時は人目につかないようにしてほしい」

「分かってるわ」

「じゃあ、寛大な恋人にハグ」


アードルフが手を広げる。


「恥ずかしいわよ、アードルフ」

「いいから。じゃないと、レウルスと出かけるのを阻止しちゃうぞ」


仕方なくアードルフにハグする。離れようとすると、アードルフがしばらく抱き留めた。


「アードルフ?」

「ルイーズはいい香りがするなと思って。なにこの香り?」


ルイーズの首元をくんくんとアードルフが嗅ぐ。


「くすぐったいわ」


身体をよじらせると、アードルフが自分の膝の上にルイーズを乗せる。


「アードルフ、さすがにやりすぎ。これ以上は無理よ」


アードルフの胸に手をやって離れる。


(アードルフのスキンシップが増えてきて少し困るわ)


ランチの時間が終わり、午後の授業を終えると予約させておいた店に馬車で向かった。早めに音楽院を出たからしばらくしたらレウルスが来るはずだ。


予想した通り、少しするとレウルスが個室に案内されてきた。実に久しぶりにレウルスと2人きりになる。


「レウルス、こうして2人で話すのは久しぶりね」

「ああ。ルイーズがアードルフと恋人のフリをしていなければ、もっと早くに話せたと思うがな」

「え?」

「いやいい。それよりも、まずは頼みたいことを話せ」

「まずはケーキやお茶を注文しましょう?食べながらでも」


レウルスは甘いものが好きだ。機嫌が悪そうだからまずは甘いものを食べさせようと思った。カルテットのメンバーにどうしてもなってほしい。


ケーキとお茶が運ばれてくると、紅茶を一口飲む。チラリと見ると、レウルスもお茶の香りを楽しみながら飲んでいた。


「レウルス、頼みたいことというのはね、私とカルテットを組んで欲しいの。授業で言われたでしょう?」

「フローレンスじゃなくてか?」

「アードルフと同じことを言うのね」

「同じこと?………フローレンスならコンラートカルテットの方でも分かっているからやりやすいだろう?」

「そうではあるけれど、それではダメなの。私はレウルスでなくてはダメ」


レウルスをまっすぐ見つめながら言う。レウルスが持っていたティーカップを下ろした。


「私はレウルスのチェロが好きよ。演奏旅行でもっと磨かれたのでしょう?」

「それはそうだ」

「じゃあ、組んでくれる?」

「ああ」

「やったわ」


嬉しくて言葉の言葉がそのまま口に出た。レウルスが意外そうな顔をしたのだった。

甘い物を食べさせれば機嫌が良くなると、ルイーズに思われているなどとは露ほども思ってもいないレウルス。


もし、作品が「いいな」&「気になる」と感じていただけましたら、

本文下の【ブックマーク】と【☆評価ボタン】をぜひ、ポチッとお願いいたします(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾

そっと寄せていただける感想も、とても励みになっております( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )


※更新は毎日19時20分頃更新しています。

引き続きお楽しみいただけたら嬉しいです٩(´꒳)۶

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ