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【完結】婚約者の王子より、冴えないチェリストに恋した公爵令嬢  作者: 大井町 鶴(おおいまち つる)
◆第5章 変化の時

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戻った男爵令息

冬休みも瞬く間に過ぎようとしていた。


そろそろ音楽院も新たな学期が始まる。レウルスも戻って来るはずだった。


あれからアードルフとは、フローレンスたちも交えながらデートをしている。


ルイーズにとっては、デートというよりもデートの仕方を習っている感覚だった。アードルフはどういうことをしたら女性を楽しませられるかよく知っていた。


「アードルフ兄は流行りのお店なんかもよく知ってるから、昔からモテるんだよ。デート、楽しいでしょ?」


フローレンスはそんなアードルフを慕って音楽院まで追ってきたらしい。


「フローレンスにとってアードルフは憧れの人なのね」

「まあ、そうかな。だから、アードルフ兄の結婚する人はめちゃくちゃ厳しくチェックするつもり」


フローレンスがギラリと目を光らせる。


「本当の相手になる方は大変そうね。......そういえば、アードルフにはなぜ婚約者がいないの?」

「ああそれはね......。秘密だけど、アードルフ兄の婚約者だった人は、ほかの人と駆け落ちしちゃったんだ」

「え………」


そんな衝撃的なことがあったとは知らなかった。フローレンスの話だと、婚約者の令嬢は幼馴染の使用人と駆け落ちしてしまったらしい。


「それっていつの話?」

「4年前の話。あの時はアードルフ兄、すごく落ち込んでいたけど人が変わったように音楽に取り組んでさ……。もともとバイオリンは上手だったんだけど」


どうして音楽に没頭しているのかと思ったら、自分と同じような理由があったみたいだ。アードルフが急にもっと身近に感じられた。


「この話、私とルイーズの間だけの話だからね」

「ええ。話してくれてありがとう。私も偽物の恋人とは言え、アードルフの役に立てるように協力するわ」

「うん。その間にアードルフ兄にピッタリの令嬢を探していこう」

「あなたが探すの?」

「アードルフ兄のためだもん」


フローレンスはアードルフを本当の兄のように思っているらしい。


皆が集まると、いつものように練習が始まった。新しい曲の練習も始まり、やるべきことが常にあった。


「ルイーズ、今日のデートは音楽院の食堂でゆっくりしないか?」

「ええ。もちろん。いつも街に行かなくても良いのよ」


街のオシャレなカフェも素敵だが、たまには気軽にお茶するのもいいと思っていた。


「フローレンスたちもどう一緒に?」

「いや、今日はフローレンスのドレス選びに付き合うことになっているんだ」

「そう、演奏会用のドレスとかいろいろと必要なの!」


フローレンスたちは、最近、街でデートするのが楽しいみたいでデートの回数が増えているようだ。


「そうか。気をつけてな」


練習室で別れると、ルイーズとアードルフは食堂へと向かう。季節限定のケーキと紅茶を頼んだ。ちなみに、音楽院のケーキは美味しくて人気だ。トリアのスイーツはそもそもレベルが高い。


席に座ると、ケーキと飲み物を持ってきてくれたアードルフが隣に座った。


「隣に座るの?」

「その方が恋人らしいだろ?」

「そういうものなのね」

「そうだよ」


アードルフは右手でカップを持ちながら、左手でルイーズの手に触れる。


「こうして触れられるのも慣れてきたね」

「そうね。慣れるものね」


最初は、アードルフに触れられると緊張したが、今は慣れてしまった。しょっちゅう一緒にいるのもある。


「ヘンリー王子の方はどうなった?」

「別になにも。リリアン様がとんでもないことをしたおかげで、さすがに怒ったみたいだけど」


彼らはメッツォに戻ると、リリアンと距離をとる流れになったらしいが、しばらくするとトリアからアードルフとルイーズの急接近が伝わり、リリアンが勢いづいたらしい。叱られても懲りることなくヘンリーの側にいるとのことだ。もはや、まわりもなにも言えない状態みたいだ。


「私に帰れ、とは言えない状況よ。あなたのおかげだわ。ありがとう」


ルイーズはアードルフの手に自分の指をからめた。これはこの前、アードルフから習ったばかりの“恋人つなぎ”だった。


「ルイーズ、上手になってきてる。もう僕らは本当の恋人にしか見えないんじゃない?」

「そうかしら?」


2人で笑い合っていると、どこからか視線を感じた。


なんとなしにそちらを見ると、驚いた。


食堂の入口にレウルスがいた。


驚いたようにこちらを見ていた。ルイーズはアードルフとつないだ手をサッと離す。


「どうした?」

「レウルスが食堂の入口に。彼、驚いているみたい。彼にも事情を説明しなくてはいけないわ」


ルイーズが立ち上がり入口に行こうとすると、レウルスは入口から離れていく。


「レウルスのやつ、なんだか知らないが動揺しているみたいだな。これは、作戦がうまくいってる証拠だ」

「そうかもしれないけど.........。私、説明してくるわね」

「そんなに急がなくても。紅茶が冷めるよ」

「私がサボって遊んでいるように見えたのかもしれないし.........。ほら、レウルスはマジメでしょう?」

「放っておけよ」

「すぐ戻るから」


レウルスは驚いたような顔をした後、なぜかしかめっ面で去った。そのままにしてはいけないと本能的に感じた。


ルイーズは急いでレウルスの後を追ったのだった。

思わず去ったレウルスの心境とは.....


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