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【完結】婚約者の王子より、冴えないチェリストに恋した公爵令嬢  作者: 大井町 鶴(おおいまち つる)
◆第4章 留学

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ライバルは阻止すべし

場が和むにつれてレウルスにやたらと馴れ馴れしくするフローレンスが気になってきた。


(自由は自由でも、ちょっと品が無いんじゃないかしら)


どうも、レウルスは年下の女性に懐かれるようである。ルイーズも彼の3つ年下である。


(やっとミアがいなくなったのに、また似たような子が出て来たわ)


モヤモヤしていると、アードルフがフローレンスに声をかけた。


「フローレンス酔ってるのか~?トリア人は酒で酔わないはずだぞ~」

「酔ってないって。レウルスがムスッとしているから飲ませてるだけ」


トリア人にとって酒は水だと言いながら、フローレンスもアードルフもほろ酔いで気持ち良さそうであった。


(ここは私がハッキリと言った方がいいのかしら)


「.......フローレンス、レウルスから離れて。彼は嫌がっているわ」

「ルイーズ、気にしなくていい」


レウルスのしっかりした声が返ってきた。


(気になるから言ったのに、気にするなってどういうこと?)


彼なりにフローレンスに気を使っているのだろうか。ルイーズはベタベタくっつく姿を見せられたくなかった。


「ルイーズ、なんか怒ってるでしょう?表情が険しい」

「怒ってるわよ。だって、あなた、くっつき過ぎだもの」

「嫉妬~?レウルスが好きなの?」


フローレンスがニヤニヤしながら聞いてきた。


「違うわ!品位が無いことをしないで欲しいということよ!私は彼を尊敬しているの!」

「へえ」

「僕も尊敬してるなんて言われた~い」


ケラケラ笑いながらアードルフが言った。


「からかわないで!」

「君は真面目だ。とってもね」


真面目、と言われることがいいことかそうではないのか、分からなくなる時がある。本来は良いことであるのに、融通が利かないとか、面白味が無いと言われているようで、言われる度にちょっと傷ついた。


(殿下に言われたこともあったわね………)


かつてのやりとりを思い出す。


『殿下、明日の用意はできていますの?』

『後でやればいい』

『そうしているうちに忘れてしまいますわよ。今、やるべきなのです』

『お前は真面目すぎる』


(真面目でなにが悪いの?私はずっとずっと頑張っているだけよ)


イヤな気分になってワインをグビリと飲んだ。トリアの酒は甘くて飲みやすい。


「ルイーズ、もうそのへんにしとけ」


レウルスが言う。


「なによ、レウルスだってたくさん飲んでいるじゃない」


感情的な言葉が出る。自分も少し酔っているのだろうと思った。


「オレは酔わない」

「それはすごく便利な身体ね。私は………ちょっと席を外すわ」


お手洗いに行こうとして席を立つ。しゃんとしているつもりだが、自分が揺れている気がした。


(思ったよりも酔っているのかもしれない。トリアのお酒はとっても飲みやすいから)


「ひとりで大丈夫か?」


レウルスが心配そうに言うと、アードルフがすくっと立ち上がった。


「一緒にお手洗いに行こうか。僕も行きたいんだ」


酔ってるのだろうと思っていたアードルフは、フラつくルイーズをしっかりと支えると、お手洗いの場所まで連れて行ってくれる。レウルスは気になっていたが、ガッチリとフローレンスに絡まれていて動けない。


(今度、お父様とお兄様にもトリアのお酒を送ってあげようかな.........)


支えられながらそんなことを考えていた。


「ふらついている」

「あなたも酔っていると思っていたけど.........そうでもない?」

「僕は酔ってる雰囲気が好きなだけで、簡単に酔いつぶれたりしないよ」

「しっかりしているのね」

「そうでもないよ」


アードルフは自信がありそうなタイプに見えるが、自分を大きく見せようとしない人であった。


「出て来たら、ここで待っていてね」


そう言うと、お互いにお手洗いに入る。


ルイーズはお手洗いの中にある鏡で自分の顔を見たら、顔がずいぶんと赤いことに気付いた。目もトロンとしている。


「酔ってるわね」


お手洗いを出ると、約束した通りアードルフが待っていた。


「あ、本当にいたわ」

「当たり前だろう。さあ、席に戻ろうか」


まだルイーズはフラついていた。アードルフに手をつながれる。


「危ないから手をつないでおこう」

「............うん」


自然とこんなことをできる人はモテるのだろうなと考えながら席に戻ると、手つなぎに気付いたフローレンスが怒った。


「アードルフ兄!手なんかつないじゃって!ルイーズに口説かれた?」

「おい、普通、逆だろう。フラついていたからつないだだけだよ」

「アードルフ兄はそういうことしちゃダメなの!」

「はいはい。フローレンスもメイクでも直してきたら?」


口うるさく言うフローレンスから逃れようとアードルフが言う。


「じゃあレウルス、行こう!」


なぜかフローレンスはレウルスを連れて行くらしい。


「おいおい、レウルスを連れて行く必要はないぞ」

「........オレもちょっと手洗いへ行ってくる」


立ち上がったレウルスが、少しよろめいた。


「ね、レウルスも酔ってるでしょ。私がお手洗いまで案内してあげる」


フローレンスは強制的にレウルスの腕をとると、お手洗いの方へと向かっていった。


「フローレンスって自由ね........」

「ああ、あの子はそいう子だ。あまり気にしないでいいから。それよりルイーズ、水を飲んで」


いつの間にか水が用意されていてグラスを渡された。


「持てる?飲ませてあげようか?」


グラスを口元まで持ってくるのでそのまま飲んだ。


「カワイイな。猫みたいだ」

「猫?」

「警戒心の強い猫が懐いてきたみたいな」

「猫じゃないわ」

「分かってる」


言い返すとアードルフが微笑んでいた。


ほぼ初対面の人になにをされているのだろうと思ったルイーズだった。

トリアに来てから羽を伸ばしてます


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