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【完結】婚約者の王子より、冴えないチェリストに恋した公爵令嬢  作者: 大井町 鶴(おおいまち つる)
◆第3章 戻った日常

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新しいウワサ

レウルスとの2人きりでのお出かけから数日が経っていた。


相変わらず練習には週4回行っているし、合間にはお茶会に出席していたから忙しかった。お茶会のお誘いなど行きたくなかったのだが、あまりにもお誘いの手紙が来るので、潔く出席してみることにしたのだ。


彼女らはルイーズとリリアンと殿下の関係について聞きたくて仕方がないだけだ。だから、リリアンとは争う関係ではないと言ってやろうと思って出席していた。


だが先日、あるお茶会に行くと、とんでもないことを言われた。


『ルイーズ様はお美しいから、男性が放っておかないのが分かりますわ』

『男性が放っておかない?そんなことありましたから?』

『先日、街のカフェでルイーズ様を見た者がおりますのよ。私から申し上げるのもはばかられますけれど、その時にいた男性とルイーズ様がとても親密そうだったと、ウワサが広まっておりますわ』


ヘンリーとリリアンとの話ではなく、もう新たなウワサが話のネタになっていた。


心配そうな言葉を言いつつも話しかけてきた侯爵令嬢の顔がニヤついていたので、バチンと叩いてやりたくなった。が、どうにか堪える。


詳しく話を聞きだしてみれば、平民のような姿に扮したルイーズが音楽家らしい男とカフェでデートを楽しんでいた、というのがウワサの内容らしい。


(まあ、間違ってはいないわね............)


しかし、この話が貴族内で広まっているとすると、ヘンリーたちの耳に入るのも時間の問題である。


(さすがにマズイわ。..............あら、でも、よく考えたらこれはチャンスじゃなくって?)


ヘンリーとこのまま結婚したいかと問われれば、答えはノーだ。ずっと結婚するのが当たり前だと思っていたからこそ、結婚をしない、という選択肢が無かっただけで、スキャンダルが発覚したならば結婚しないという結果もあるのではないか。


(私、こんなに柔軟な考えができるようになってきたのねぇ)


これも全ては新しい世界に思い切って踏み込んだおかげではないか、と思える。それまではほかの男性と浮名を流すなんてあり得ないことだったのだ。


..........しかし、父や兄には大変な迷惑をかけることになるだろう。そこを考えると頭が痛かった。


「..........はあ、面倒ごとができてしまったわ」


自分の部屋でお茶を楽しんでいた。


「レウルス様との密会が知られてしまったのですね」

「ジーナまで変なことを言わないで。楽器店に行く前に、お茶をしただけじゃないの」

「すみません。でも、あの日のお嬢様はとても幸せそうに見えましたから、傍から見たら誤解を与えたかもしれません」

「..........そう見えていたの?意識していなかったわ。それにしても、誰かに目撃されているなんて思いもよらなかったわ。平民に馴染んでいたと思ったし」

「お嬢様の華やかなオーラはなかなか隠せませんよ」

「そうなのかしら......」


ジーナとはそんな話をしていたが、父と兄が新しいウワサを知ると彼らは穏やかではなかった。


「ルイーズ!どこぞの男と仲良くしているとはどういうことなのだ!?」

「そうだよ、どこの馬の骨とデートを!自暴自棄になるなよ!」


予想通りというか、2人は怒っている。


「お二人共、落ち着いて下さいませ。男性はフルンゼ楽団を起ち上げたサンス男爵令息の次男レウルス様ですわ。馬の骨ではありません」

「サンス男爵令息?だとしても許すわけにいかないぞ!」

「そうだ!」


父と兄はまだ怒っている。相手が分かったとしても格下の男爵令息であるし、そもそも王子という婚約者がいるのだからまあ当たり前だ。


「彼はチェロを担当している楽団仲間でもありますわ。楽器店に行く用事が共にありましたから、向かう前に少しだけお茶をしていただけではありませんか」

「それを世間ではデートと見なすのだ」

「あらまあ、デートというものはそういうものですの?」


すっとボケてみた。そもそもヘンリーとはお茶の時間以外にデートなんてしたことがない。だから、デートなんてものは知らない、と言える自信はある。


「ルイーズ、ああいった場所で男と2人で会ったら、デートだと思われるんだよ」


兄がご丁寧に説明してくる。


「覚えておきますわね。............今回のことはご心配に及びません。私たちは美味しいケーキを頂きながら、音楽について話していただけですから」

「.........本当にそれだけか?」

「そうですわよ。彼は同じ楽団の大切な仲間ですわよ。大切な仲間とどうこうなるわけがないでしょう?それよりも、今回の新しいウワサは、私だけでなく大切な仲間に迷惑がかかっております。ただちにウワサを広めた者を見つけて罰して下さいませ。リリアン様を支持する者の仕業かもしれませんから」


自分が責められるのではなく、自分のこと悪く思わせるウワサを広めた人物を責めるようにうまく誘導する。


「むむ。.........分かっておる!そこは任せておきなさい。どうせ、お前を蹴落とそうとするつまらぬヤツの仕業だと思っておったわ!」

「ああ、僕もそう考えていた!」


簡単すぎる彼らの反応に、大丈夫だろうかこの2人...........と思わないでもなかったが、話の流れは無事に犯人捜しの方へと変えられた。


「ところで、ルイーズ。リリアン王女のことでまだ傷が癒えぬのだろうと、先日の演奏会にフルンゼ楽団を推薦したのだが..........。リリアン王女を出席させるとは思わなかった。お前を傷つけることになってすまない」


怒っていたと思ったら、今度は謝られた。忙しい人たちだなと思う。


「お父様、大丈夫ですわ。私はフルンゼ楽団で楽しくやっておりますから。楽団の方と仲良くすることも大目に見て下さいね」

「2人きりはダメだぞ」

「ええ」


ちょっとお茶したぐらいで見つかるのならば、デートはしばらく諦めるしかないだろう。また、そんなラッキーな機会があるのかは分からないが。


それにしても、ヘンリーの耳に入った時のことが気になった。調べられたらルイーズがフルンゼ楽団に所属していることもすぐに分かってしまうだろう。フルンゼ楽団は平民が集う楽団だから、ふさわしくないと言われて辞めさせられる可能性もある。心配だった。


(殿下だって好き勝手やっているのだもの。私だけが犠牲になってたまるものですか)


そんな気持ちが湧いてきていたのだった。

目撃者は記者並み


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