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【完結】婚約者の王子より、冴えないチェリストに恋した公爵令嬢  作者: 大井町 鶴(おおいまち つる)
◆第3章 戻った日常

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レウルスとのデート?

とうとう練習が終わった。


いよいよレウルスと楽器店に行くのかと思うと緊張してきた。ルイーズは急いでお手洗いに行くと、身だしなみを整える。


(メイクは崩れていないわね。口紅をもう少し足しておきましょうか)


口紅を鏡の前で塗っていると、お手洗いにやって来たミアが目ざとく口紅に気付いて寄って来た。


「わあ、その色ステキ!口紅をポンと買えるなんてルイーズさんの商会ってずいぶんと繁盛しているのね。いいなぁー」

「口紅、欲しいの?」

「そりゃ欲しい……あっ、ねだってるんじゃないからね」


ツンと横を向くミアは恥ずかしそうにしている。


「……商会ではいろいろな物を試供品としてもらうことが多いの。今度、試供品の口紅を持ってくるわね」

「ホント!?」

「ええ」


ミアは笑顔を見せた。


(...........口紅ぐらいでこんなに喜ぶなんて。庶民って本当に生活が苦しいのね)


ルイーズは化粧品を集めるのが好きで、口紅は新色が出る度に買って集めていた。だから、口紅1本でこんなに嬉しそうにするミアが気の毒に思える。


「..........あの、ミアって普段、チェロの練習をどれくらいしているの?」

「え、突然なに?私のチェロに文句言うつもり?」

「そうじゃなくて。レウルスさんとチェロを弾いていて息が合っているなと以前から思っていたのよ」

「レウルス兄は私に合わせてくれてるだけ。私はまだ全然、未熟だよ」


意外なことに、ミアは謙遜して答えた。ルイーズが聴く限りミアの演奏も悪くない。ミアは自分の演奏にまだまだ納得していないらしかった。音楽に関してはやはり真面目なのだなと思う。


「レウルスさんを“レウルス兄”と呼んでいるのね」

「私にとってレウルスは兄みたいだもの。ここのフルンゼ楽団に誘ってくれたのもレウルス兄なんだ」

「そうなのね。街で演奏をしているところを見て誘ってくれたの?」

「そう。それでね............」


お手洗いでの会話が思ったよりも弾んで長話になってしまった。


「あ、いけない。私、用事があるのよ。では今度、口紅を持ってくるわね」

「うん、ありがとう!」


ニッコリするミアとはいつの間にか仲良くなっていた。


慌ててお手洗いから出ると、レウルスがいなかった。


(置いて行かれた!?)


外で待っているかもと、慌ててバイオリンをしまって建物から出る。だが、レウルスの姿はない。


(ああ、せっかくのデートが............!)


ミアと長話などするのではなかったと後悔していると、声をかけられた。


「遅い。いつまで待たせる?」


建物の陰からレウルスが出てきた。


「ごめんなさい!ミアとすっかり話し込んでしまって」

「ミアと話?あいつと打ち解けたのか?」

「ええ、意外といい子だったわ」

「あいつは誤解されやすいだけなんだ」

「そうね。ツンツンして見えるけど、真面目でいい子だわ。それより、どこにいたの?置いて行かれたかと思ったわ」

「今日は暑いからな。建物の陰にいた」


今日は陽射しが強かった。ケースの劣化を防ぐためにも建物の陰にいたらしい。


「お前の侍女たちに説明しておいたぞ」


いつも練習時間の終わりにジーナと護衛が迎えに来ていたので、それに気づいたレウルスが楽器店に行くことを話したらしい。


「彼らに説明するのをすっかり忘れていたわ。ありがとう」

「意外と抜けているところもあるんだな」

「あら..........そんなこと、初めて言われたわ」


(今まで、殿下の婚約者として気を常に張っていたから、完璧だとしか言われたことがないのに)


自分はとても浮かれているのだなと、思う。


「楽器店はどこに?ここから歩いて行ける距離なの?」

「少し距離がある。少しカフェで休憩して行こう。食べたい物があるんだ」

「へ?」


レウルスの思わぬ言葉に間の抜けた声が出る。


「‟ブランシェ”という店のショートケーキはうまいらしい」

「.........楽しみだわ!」


レウルスは甘い物がやはり好きなようだった。ただ、彼の口から“ショートケーキ”などという言葉が出て来て驚く。


(カフェでお茶ってことは、本格的にデートみたいじゃない......!)


テンションが爆上がりした。


レウルスと練習場からしばらく歩くと‟ブランシェ”というスイーツ店に着いた。店内の席に座ってショートケーキと紅茶をオーダーすると、なにを話そうとソワソワする。


「...........チェロの弦はいつ張り替えたの?」

「オレはあまり替えない方だ。使い込んでいる方が良い音が鳴る気がする」

「それなのに張替えをするの?」

「音のキレの悪さが気になってきた。バイオリンに比べて弦の張替えは少ないかもな」

「そういうものなのね。今回は貴重な弦の替え時だというわけね」

「まあ、そうだな」


ショートケーキと紅茶が運ばれてきた。


ケーキを頬張ると、頬っぺたが落ちるほど美味しい。


「とっても美味しいわ!」

「だな」


レウルスも満足そうに食べている。いつもの険しい表情は封印されていた。


王宮のシェフがつくるショートケーキを何度となく食べてきたのに、今まで食べたショートケーキの中で最も美味しい!と思えたのだった。

実は、レウルスはシャーロットに負けないぐらいスイーツ好き(シャーロットにバレると面倒なので、大々的には公表していない)


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