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【完結】婚約者の王子より、冴えないチェリストに恋した公爵令嬢  作者: 大井町 鶴(おおいまち つる)
◆第3章 戻った日常

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平穏な日々って最高!

事務室でレウルスに詰問のような確認をされた後、どういうわけか話の流れで楽器店に一緒に行くことになってルイーズは浮き浮きしていた。


なぜ王城にいたのかを問われた後は以下の会話となった。


『演奏会の評判はどうだったの?』

『評判は悪くはなかったと思う。いきなり殿下からフルンゼを指名されたと聞いた時には驚いたが。聞いたところ、コルネ公爵から推薦されたと聞いている』

『そ、そうなのね…』

『次回の演奏会ではお前も参加することになるだろう。........そうだ、お前のバイオリンの絃にほつれがあるな。そろそろ替え時だな?』

『ええ、替えなくちゃと思っていたんだけど、よく気付いたわね?』

『お前のバイオリンの音色が違って聴こえて気になっていた。オレも弦をそろそろ替えたいと思っている。贔屓にしている楽器店があるから、お前も一緒に行くか?』

『ぜ、ぜひ』


そういう会話の流れがあって、楽器店に一緒に行くことになったのだ。ちなみに、レウルスから口調について再度、気を付けるように言われたからレウルスと話す時も心掛けていた。彼の口調はちょっぴり偉そうだが、距離が近づいたようでなんだか嬉しい。


それよりも、レウルスとの会話の中で判明した、フルンゼ楽団が指名された件は父によるものだった。ヘンリーが楽団の評判など知るワケないから、おかしいとは思ったのだが。


(もう、お父様も事前に伝えておいてくれれば焦らずに対策できたというのに!)


お茶目な父のことだから、サプライズにしたかったのかもしれない。厚手のベールがなかったらどうするつもりだったのだろう。今思えば、厚手のベールも都合よく見つかったなと思う。父が事前に用意していたのだろうか?もはや、どこまで父が仕組んでたのか分からない。


(......それよりも、レウルスからお誘いされるなんて!)


今のルイーズにとってそちらの方が一大事であった。


事務室から出ると、楽器ごとのパート練習が始まる。


「オリビア、バイオリンの音なんだけどさ..........」


レイニーにレウルスと同じことを指摘された。


「さっき、レウルスさんにもバイオリンの音がおかしいって言われたわ」

「ああ。あいつも気付いていたんだな。……オレの方が先に気付いていたと思うけどね。昨日の演奏会のことで気を取られていたから言うのが遅れたよ」


負けず嫌いなのか、張り合うように言ってくるので思わず笑ってしまう。


(この兄弟の耳の良さは確かね。ほんのわずかの音の違いにすぐに気付くなんて)


「弦の方は、このあとレウルスさんが馴染みの楽器店に連れていってくれるということだから、すぐにでも解決できるわ」

「へえ、レウルスが?あいつが新人の面倒を見てやるのは珍しいな」

「そうなの?」

「ミアの面倒だけは良く見ているけどね」

「………」


ミアは同じチェロだから彼女を気にするのは分かる。だけど、ちょっと面白く無い。


「もし、レウルスと行くのがイヤだったらオレと一緒に行く?場所分かるし。ついでにお茶でもしちゃおうか」

「レイニーさんは、いつもそんなことばかり言っているの?」

「あれ~?もしかして、やはりオレが軽薄だと思ってる?またまた勘違いしちゃってイヤだなあ~。ほら、オレは窓口担当だって言ったでしょ?ついクセでこう言っちゃうだけだよ」


レイニーがヘラヘラしていると、昨日のリリアンに対する態度を思い出した。あの時はヘラヘラはしてなかったが、営業モードであった。


(.........この人の営業モードがフルンゼ楽団のためだとしたら、無理させたくはないんだけど)


そんな考えが顔に出ていたのか、レイニーが小声で言ってくる。


「なんだか難しい顔しているから一応言うけどさ、女性は媚びる必要はないからね。そういうところはオレがやればいいんだから。オリビアにはイヤな思いをさせないよ」

「..........失礼したわ。あなたは紳士ね。あなたが女性に人気である本当の理由が分かった気がするわ」

「え、オレに惚れちゃった?」

「そういうことじゃないわ」

「おい!そこはいつまで話しているんだ。練習はどうした!?」


レウルスから声が飛んできた。


弟に言われたからか、レイニーもすぐに真面目な顔つきになると、次の演奏会に向けての新しい譜面を配り始める。新たに取り組む曲は、ロマンチックな旋律で人々の願いが込められている曲だった。


(レイニーが言ったように旋律と会話してみなくちゃ)


曲のメッセージ性を考えて音を鳴らしてみる。いつもより深みのある音が出せた気がした。隣からチェロ組の音色も聞こえてくるが、美しい音色でウットリとする。


レウルスは、チェロと一体になったように身体を左右にわずかに揺らしながら奏でていた。その姿が実に心地よさそうで見とれてしまう。


(弓を持つ手がちょっとぷっくりしているのも、素敵に思えてしまうわ)


同じ楽器を扱っていても、人によって演奏するスタイルが違うし個性も異なる。言葉で表現しがたい魅力にルイーズは魅了されていた。


(どうしてレウルスは、音楽に接する時にあんなに優しい顔をするのかしら)


「オリビア、またよそ見している。ちょっと気がそぞろになっているよ。音にも現れている」


レイニーにすかさず注意された。


「ごめんなさい」


今なら素直に謝ることもできた。貴族間の謝罪はもっと重い意味を持つことが多い。楽団に入ってから自分は変わってきているのかもしれないと、思うことが増えていた。


(私が殿下とリリアン様に少し寛容になれたのも、私が得た新しい世界が影響しているのかも)


このフルンゼ楽団は自分にとって本当に大事な居場所になっているのだなと、改めて思ったのだった。

レウルスと出かけるのが嬉し過ぎるルイーズ


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