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008 新しいキャラシート2


 個別スキルは職業とは別に習得したスキルだ。自由なキャラビルドが出来る反面SP効率が悪い。その中でほぼ全ての人間が持っているのが何らかの言語スキルだ。言語系は1あれば話せ、2あれば読め、3あれば書ける。言語系の4以上は日常生活では使わない専門的な領域に入る。クロードが居た孤児院の同期を参考にするなら、共通語3を持つのは二人、共通語2を持つのは六人か。他は共通語1を持っていると思いたい。


 職業スキルは名前の通り職業に予めセットされているスキルだ。SP1で複数のスキルがレベルアップするためお得だ。ただし職業スキル内の個別スキルは単独で強化できないので運用が面倒な事になる場合もある。そして俺はさも当然の様にそんな問題に直面した。


「剣術を伸ばすのにダンピールを伸ばさないといけないなんてヤバ過ぎる」


 俺は頭を抱えた。ダンピールは強いクラスだがレベルアップさせると非常に面倒な事になる。俺は言わばダンピールに成りたてだ。種族だってまだ人間と判定される。だがダンピール5になったら種族もダンピールに変わる。それ以上レベルアップすればアンデッド系にクラスチェンジする可能性が高い。『心』の基礎値が高いと生者のままでいられるはずだが、ファンブル一歩手前の俺の『心』では確実にアンデッド化する。ブレイブシステムの恩恵でSPを手動で振れるのだけは救いだ。現地の人間なら生きるために力を使い込んでいつの間にか後戻りできないレベルになる。


 ダンピールは痛覚耐性と天属性に弱いスキルを内包している。これらはレベルアップと同時に効果が高まる。更にレベルアップすると壁歩きが出来る。レベル6辺りでクラスチェンジする。ダンピールに含まれている剣術はクロードが幼少から鍛えていたスキルだ。文字通り剣の腕が上がる。吸血は対象を噛んで血を飲む事でHPとMPを回復する。レベルが上がると眠気や状態異常も治る。マナ呼吸は嫌気呼吸や無酸素呼吸と呼ばれるものだ。空気が無い場所よりこのピットみたいに空気が悪い所で活躍してくれる。レベルが上がるとマナが少ない場所でもマナ呼吸が出来るようになる。暗視のおかげで暗い場所でも目が見える。視界は10メートルほどなので過信は出来ない。レベルが上がると視界が広がる。


 シナリオボスのクラスをPC用にナーフしただけあってやっぱり強いけど、やはりダンピールを伸ばすのは悩ましい。とにかく次のプロトブレイバー次第だ。


 プロトブレイバーは取得経験値アップスキルを内包している。物語の英雄が一年で他をぶっちぎって強化されるのはこのスキルのおかげだ。俺の限界レベルではすぐ頭打ちになりそうだ。限界LVアップは俺の泣き所である限界レベルを上げるパッシブスキルだ。最大+10してくれる。SPボーナスはこのスキルをレベルアップするとSP+1する。クラススキルとしては恐ろしく有能だが個別スキルだと産廃になる。


「次は俺のビルドの肝であるブレイブシステムか」


 緊張しながらブレイブシステムの詳細をイメージする。こういう風にスキルの詳細が分かるのもブレイブシステムの恩恵だ。大変の人は過去の書物と自分の勘でスキルの詳細をふわっと理解する。


 ブレイブシステム1

  自分のSPを手動で振れる。

  他人のSPを手動で振れる。許可制。 

  ストックスキルから自分にスキルを追加出来る(最大数は『魂』の基礎値)。


 ブレイブシステム2

  ストックスキルから他人にスキルを追加出来る(最大数は『魂』の基礎値)。


 ブレイブシステム3

  バグって読めない。


「ストックスキル!?」


 俺は驚いて大声を上げてしまった。もしゴブリンが近くに居たら絶対に聞いたはずだ。迂闊!


 とにかく俺は急ぎストックスキルと言うものを確認した。


***


ストックスキル

 ブレイブシステム  0/1

 吸血        0/1

 アイテムボックス  3/3

 最大LVアップ   2/3

 取得SPアップ   2/3

 マナ呼吸      2/5

 HPブースト    5/5

 暗視        2/10

 剣術        9/10

 短剣術      10/10

 共通語       9/10


***


 俺の手持ちのスキルと食らったことがあるスキルがストックされているみたいだ。殺さなくてもストックされるのは嬉しい反面、食らう事が出来ないパッシブスキルの扱いがどうなるのか気になる。それと追加できる数がスキルごとに決まっているとなると他人に無駄打ちは出来ない。剣術持ち100人量産とかは不可能だ。


 俺が持てるスキルの数は『魂』の基礎値と同じ6だ。ダンピール、プロトブレイバー、共通語で3つ。3つ追加できる。候補はアイテムボックス、HPブースト、短剣術か。アイテムボックスはダンボール箱サイズの荷物を別空間に補完できるスキルだ。HPブーストはクロードが剣士スキルの一部として持っていた最大HP増加スキルだ。最後の短剣術はあの衛兵がクロードを殺す時に使ったスキルだ。剣術と短剣術の二刀流はロマンビルドだが、俺にそんなビルドを作る余裕は無い!


「アイテムボックスを追加!」


 実際にこれ一択だろう。相手が衛兵見習いの言ったようにゴブリンだけならヴァンピールのステータスと剣術1で切り抜けられる。『魂』を伸ばすのは急務だが、未来の事を考えるのは脱出してからだ。残り2枠は今後の事を考えて開けておこう。良いスキルが道中で手に入るかもしれない。


「壊れたA級ダンジョンコアを収納」


 最初に入れたのはA級ダンジョンコアだ。これだけでアイテムボックスの1/4ほど一杯になった。壊れているが、エルフなら修復が出来る。そして修復されたダンジョンコアは様々な用途で利用されている。これをどこぞの貴族に献上するだけで将来安泰だ。だが俺が流民である限り口封じされるか大幅に買い叩かれるのは明白。換金できない万馬券を開始直後から押し付けるとはこの世界の神は余程鬼畜なGMなのだろう。


「邪神のダガーを収納」


 唯一の武器だがこれを使うのはまずい。所持もまずい。これは永遠にアイテムボックスで塩漬けだ。効果は人型にクリティカル。使用者が邪神の聖句を唱えながら対象の命を奪うと使用者・・・と対象双方の魂が邪神に食われる。クロードの頑張りであの衛兵が生き残ったのは複雑だ。


 いつまでも考え事をしていては埒があかない。動こう。ゴブリンと遭遇するリスクは増えるが、俺は端に寄せてある骨を漁る事にした。最悪、骨を剣として振るえばゴブリン程度には勝てる。



***



名前 アッシュ

種族 人間(15)

職業 ダンピール1、プロトブレイバー1


位階  2/14

HP 26/26

MP 20/20

SP  5/11


体 16 (12/20)

技 10 ( 9/20)

心  8 ( 4/18)

魂 12 ( 6/18)


複合スキル

 試作勇者

 └01/10 限界LVアップ、取得SPアップ

 └01/05 スキル操作


 ダンピール

 └01/10 剣術

 └01/05 吸血

 └01/03 マナ呼吸、暗視


個別スキル

 生活系

 └03/05 共通語


 特殊系

 └01/10 アイテムボックス

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