貴族は安泰?いえ、死にそうです。
文を見たのですが、我ながら稚拙ですねぇ。無理をしない程度に書いて、楽しんでもらえればいいなぁ。
ベッドで寝転びつつ、アドルフという赤ん坊になった不破重は傷だらけの体を癒やしつつ、この体になって半年ちょっと。このベッド上にいることが一番。安堵感を覚えながら手に入れた情報を分析していた。
(とんでもない目にあったよ。生きててよかった。)
わかっているのは、ここはエウロべ帝国と呼ばれる国であり、自分はその帝国でも中々の実力がある貴族らしき一族の長男。と、言うことだ。
(ツー・オストベルゲン伯爵並領。つまり、アドルフ・ツー・オストベルゲンが俺の本名になるのか?伯爵並って伯爵じゃないのか?)
公人らしき人物との話を聞くが、父である偉丈夫を「伯爵並殿。」と呼んでいた。細かい意味はわからなかったが、話を初めて聞いたときは、
(金持ちのボンボンか。食べるには困らないな。)
と言った安心感を覚えていたものだ。これからゆっくりと情報を仕入れていけばいいとか甘いことを考えていた。
(だが、その考えは甘かった。。甘すぎた!チクロよりもな。)
― ― ― ― ― ―
(本日も平穏泰平。食っちゃ寝してるのも暇だ。)
それは、アドルフとなって、3ヶ月ほどが経って、惰眠をむさぼるのか、乳母らしき女性の乳を吸うか。の2つが生活の中心という暇さを持て余していた頃だった。
「さぁ!アドルフよ!お、首も座ってきてな。良い良い!」
と、いつもどおり騒がしく参上するのは父であるカール。アドルフを背負い、部屋を出た。初めて部屋を出ることにアドルフは喜ぶ。なにせ、今まで変化もない生活に変化が訪れた。父・カールはアドルフを別の部屋に連れて行くと、
「良い子で待ってるんだぞ。着替えてくるからな。」
(いやー。外に出るのか。楽しみだなぁ。)
アドルフの喜びはそこまでだった。戻ってきた父は全身を分厚い鎧で固め、腰には金棒を。背中に斧を背負ってきた。
「アドルフよ!父の勇姿を目に刻みつけよ!」
等と言い放つと唖然としたアドルフを抱っこ紐でくくりつける。金属のヒンヤリした感触がアドルフを現実に戻すが、もう遅い。
「盗賊退治じゃ!続けぇ!!」
駆け抜ける馬に揺られ、戦場に出発していった。弾ける頭や、飛び出る臓腑。狂気に満ちた戦場を初体験したアドルフは理解する前に気を失った。
「まさか初陣で寝てしまうとは。何という胆力!」
「「流石は伯爵並様の子よ!」」
それからと言うもの。敵対勢力等への戦闘行動に連れて行かれることになった。もちろん抗議や抵抗はした。赤ん坊ならではの行動を。
(大泣きしてみれば、どうだろう。)
「おお!戦場でココまで大きく泣けるとは!なんと元気なのだろうか。」
ーーギャン泣き。失敗。元気な若様として広まる。
(なら、無反応!前はギャン泣きしてたのに無反応なら。)
「そうかそうか。もう戦場になれたか。もっと奥に行こう。」
ーー無反応。失敗。武将の才がある若様として広まる。
(な、なら、不快感を示してみれば。)
「む。何やら機嫌が悪そうだな。何かあったか?」
アドルフが珍しく機嫌が悪そうにしているのを見て、カールは首をひねる。すぐさま乳母や世話役らしき面々を集める。
「息子が何やら不機嫌なのだ。どうしたものか?」
周りに意見を求めるカール。コレはうまく行きそうだと考えていた。次の意見が出るまでは。
「伯爵並様!もしや、戦場に出てなかったのですねているのでは?と、愚行した次第!」
「なるほど!流石は我が右腕よ!それは思いつかぬ。よしよし!今日は連れてってやろうぞ!」
悩んでいた面々から髭面の大男が前に出て一言。これに周りも「然り然り」と納得し、戦支度を始めた。
(なんでそんな意見が出て、納得すんのよ。もしかして、この世界ではコレが普通。いや、染まるな。頑張れ俺。)
ーー不機嫌。失敗。勇猛な若様として広まる。
ー ー ー ー ー ー
(どないせぇってのよ。まったく。)
今までの騒動を思い返し、心のなかで頭を抱えるアドルフ。こんな無茶苦茶な騒ぎが長くて月2回。短いと3日続けて起こるのだ。もう嫌でもなれる。内心、「これが普通なんだあ。」と染まりかけてきたと納得してしまいそうだ。
(悪い人たちではないのはわかるんだが…)
残念ながら体育会系。いや、前向きすぎ。いや、脳筋すぎることに抱えられない頭を抱えそうになるアドルフだった。
これは後々、加筆修正しそうだな。閲覧ありがとうございました。