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俺は脳筋じゃねぇ!〜辺境群雄・オストベルゲン立志伝〜   作者: 丸一
1章 領主見習編〜やべぇ。破産する前に改善させないと。
15/16

重大な問題原因はバカバカしいこともある

大体、一区切り。1000〜1500文字前後で書いてますが、区切らず長いほうが良いのか。このまま行くのか。書いてるときが一番悩みますね。

 自宅とは違う硬い寝床で目が覚めたアドルフ。体調は全快とは言えないが、十分活動できるまで回復した。


 (昨日は悪いことしたかな?出迎えとか、ぞんざいに扱ったかも。)


 わざわざ暗い中で迎えに出て、食事も用意してくれた村民たちへの態度を後悔しつつ、アドルフはグイッと背伸びをして表に出た。そこには、長閑のどかな村の生活。畑を確認し、モノを運び、たまにやってくる行商が村人と話し、子どもたちの喧騒が村に明るさを与える。……何て事はなく、


 (まぁ、予想してたよ。予想以上にひどかったけど。)


 ヒビが入った倉。土地が痩せて育ちが悪い野菜。目はギラついているのに痩せ気味の家畜。密集して植えられた小麦。……ところどころ枯れたり成長してない場所が。


 (完全に連作障害じゃん!ほんとに密集させてるし。)


 出迎えに出てきた村長らしき男と、三バカを挨拶もそこそこに連れ出し、倉を開かせて確認する。


 (もし台風や病害で収穫できなくて冬来たら、ゾッとする。)


 村の全滅はないとは思うが、老人や増えた子供はバタバタ飢えるギリギリの。収穫ありきの備蓄しかなかったことに背筋が寒くなり、頭痛を覚えるアドルフ。


 「昨日に続き、失礼な事をした。今日からこの村で領主の勉強を行うアドルフだ。」


 「いえ、こちらこそ次期御領主様に、この様な粗末なモノをお出しした事をお詫びしなければなりません。」


 寝泊まりした家こと、村長の家で、豚の煮込みのような食べ物を出され、毒味もなしに食べるアドルフ。味に関しては正直諦め気味だし、慣れたもの。文句もなしにパクパクと食べる。


 「なに。こうやって食べている。気にすることはない。」


 ペコペコする村長を椅子に座らせ、まずは自己紹介。村長はイゾ村のデリクと名乗り、伯爵並カールからアドルフに協力するように厳命されていると教えてくれた。


 「では早速聞くが……コホン。いくつか尋ねるけど、嘘をつかずに答えてください。」


 高圧的で年齢に似合わない口調に気づき、年相応に戻りすと質問を初めた。


 「まず、この村の人口と財産は?」


 「800人ほどです。村の財産と言えるのは武具と小麦畑。あとは野菜畑がすこしです。」


 「武具?自衛用か?いや、それより、なんで倉の中があんなに少ないの?」


 収穫量は年々減ってるし、領主として赤字なのは知ってはいるが、帳簿は大まかすぎる収支しか載ってない。現場を知るために質問したアドルフだったが、思いもよらない答えが返された。


 「はい。軍費として納めました。」


 「は?軍費?税金じゃなく?」


 「税金は別に納めました。この軍費は、南の城塞に納めました。キッチリ請求分。」


 待て待て待て。アドルフは手を前に出して話を止めた。オストベルゲン領に、本城以外の城がある?さらに、税金以外に軍費?予想しなかった情報に思考も止まる。


 「ちょ、ちょっと待って。ベルン。こっちに。」


 村長に一旦、待つように告げると、別の部屋にベルンを呼び、疑問を解決するために話を始めた。


 「我が家に城っていくつあるの?」


 「城は本拠しかございません。」


 アドルフの脳裏には、あの実用性一辺倒の飾り気無い要塞とりでが浮かぶ。アレも政務ができるから城といえば城か。だが、引っかかり覚えたアドルフは質問を変えた。


 「城以外はあるの?」


 「はい。国境沿いに砦がいくつか。」


 そこでアドルフは、とってもバカバカしい答えが頭に浮かんだ。本城も騎士だけではなく、兵士もそれなりに居た。国境防衛の出陣で出る父を何度も見たアドルフは、ソレを必要なもの。普通のモノと思い込んでいた。だが、スッと出たバカバカしい答えが正解だろうと確信があった。


 「もしかして、常時兵隊がいるの?その砦。」


 「もちろんです。国境の防衛だけではなく、盗賊や魔獣が出ますので。常に最大で稼働しています。」


 アドルフは久々に頭に一気に血が上り、怒りの感情をぶち撒けた。


 「ソレだよ!原因!出費が多すぎんだろ!」


 爆発した勧請で溢れ出た大素マナによって、村長の家が倒壊した。

 投稿予定日より早く書けたので投稿しました。次回は14日前後になります。

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