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お題シリーズ2

ハッピーバースデー 他人

作者: リィズ・ブランディシュカ



 他人のお誕生日会を眺める事ほど嫌いな事はなかった。

 私のお誕生日は誰にも祝ってもらえないのに。


 幸せそうな顔をしている人間達を、今すぐにでも引き裂いてやりたい。

 たくさんのプレゼントの山を破壊して、綺麗なドレスも飾りつけも燃やすか、ゴミ箱にぶち込んでしまいたい。


 誕生日?

 生まれてきてありがとう?


 そんな言葉、嬉しいの?


 生きてるのって普通の事じゃないの?

 誰かが喜んだって、悲しんだって、人間生まれてくるもんは生まれてくる。


 そこに良いも悪いもないじゃない。


 なんでそこに余計なものをつけたそうとするのよ。


 だから、気に食わないそれをぶち壊したいのに、私の中に植え付けられた常識だかルールだかが邪魔をする。


 私をこれ以上みじめにしないで。


 誕生日なんて、ただの一日、人一人が産まれただけの日。そんなものだって! 余計に付け足されたただの事実なんだって!


 鬱々とした感情をため込んでいた私は、心の中に何かが生まれるのを感じた。


「ジャア、ワタシが代わりにコワシテあげる」


 ああ、それは他人だ。


 私じゃない物の魂。


 こんな事ってあるんだ。


 私は自分の心の中につぶやいた。


「ハッピーバースデー、ただの他人さん」


 そいつは、ただ生まれただけ。


 私だってただ生まれただけなんだもん「好きで産んだわけじゃないわよ、あんたなんか」ってママとかいう奴が、言ってたからさ。


 私は知らない。


 生まれたこいつが何を言おうが、


「コワシテ、コワシテ、コワシテあげるよぉ!」


 何をしようが私には関係ない。



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