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魔界のお祭り(前編)(第一魔国の王宮での交流)

現時点で、3人ほど、ブクマが付いたので。有難うございます。趣味が合う貴重な神様です。

フローラと、黒騎士関係は、私の趣味100パーセントぶっこんでいますので。

本人も風呂敷広げ過ぎて、訳が解らないお話になりつつあるので(読みに来ている人も途中で挫折している模様)


翌日の夜、ディオン皇太子は久しぶりに、ルディーンの自宅で過ごしていた。


話もそこそこに、ひとしきりイチャイチャした後の夜中、ルディーンはガウンを羽織り、ベットから降りて、グラスに水を汲み、持ってきてくれる。


ディオン皇太子もベットから身を起こして、受け取り、グラスの水を飲んでから、


「お前の方は、仕事は無事に済んだのか?」


ルディーンも水を飲んでグラスをテーブルに置き、ベットの端に腰かけながら。


「ええ。無事に納品出来ましたよ。いや…本当に、同時期の魔国の姫誕生は勘弁して欲しいですな。」


第二魔国魔王レスティアスと、第五魔国魔王ロッドの所に同時に姫が生れたのだ。

姫が生れたら、首飾りを贈る風習のある魔界で、ジュエリーショップであるルディーンの店は大量の注文と納期に追われて大変だった。


そう言うと、ルディーンは、ディオン皇太子の頬を撫でて、チュっと唇にキスを落とす。

ディオン皇太子もルディーンの長い黒髪に手を添えて、チュっと口づけを返してから。


「こっちは難題が山積みだ。どれから手につけたらいいものか…。」


「情報は届いてますよ。俺なら…そうですねぇ…。」


ディオン皇太子の横に再び、潜り込んで、ルディーンは。


「ニゲル帝国のお嬢さん、リーナ皇女からの依頼は急ぎなんですか?何か言ってきているんですかね?」


「ユフレ街の掃除か?なかなか準備に難航しているようだ。大勢の人間を助け出さねばならない。あそこは、違法地帯だからな。俺は協力をしてやると言ったが、上手くいくのだろうか?」


「でしたら、まずは、ジュエル帝国の勇者の死体を浚ってくることから始めたらどうです?ニゲル帝国の勇者は死んでしまっているんでしょ?死霊が今、どうなっているのか、俺の情報でもまだ掴めていませんが…。まず出来る事から手につけてみたらどうです?」


「そうだな…。そうしようか。始まりの勇者アクストの友のサクラとかいう女性、姿が見えん。どうもジュエル帝国へ行っているらしい。彼女の為にも、早く浚ってきてやらんとな。」


「その前に…。明後日の夜、魔界の俺の別荘に遊びに来ませんかね。セシリア様や、聖女様とか親しい人を連れてきてもいいですよ。第一魔国では明後日は祭りで、俺の別荘から綺麗な花火が見えるんです。」


「いいのか?セシリアを連れて行っても。」


「ええ。構いませんよ。セシリア様は俺を尊重して下さいますし、よろしければ、後、聖女様とか見習の子とか、喜びますよ。きっと。少しは息抜きをしないと、疲れてしまいますから。ね?」


「ああ、そうだな…。クロードやフローラも誘ってやろうか。お前の事で迷惑をかけているからな。」


「それならば、グリザスさんや、騎士団長さんも誘ってあげたらどうです?となると…

ミリオンやファルナード様、スーティリアもお誘いしましょうかね。」


「そうだな。ユリシーズはアイリーンが臨月だから、ちょっと無理だろう。

これは楽しくなりそうだ。」




第一魔国の夏祭りは、有名であり、他の魔国の魔王達も見物に来るくらい、人気がある。

ただし、魔国同士は住民の行き来には、許可証がいるので、申請許可が下りた他魔国の国民と第一魔国国民だけが基本楽しめる祭りであった。


翌日ディオン皇太子が、クロードにまず連絡をすると、クロードは。


「俺、姉上のお城で見物に来ないかって誘われているんですよね。毎年、そうしていますし、でも、いいですよ。他の魔国の魔王達と家族は第一魔国の城に集まりますから、

挨拶だけして、グリザスさんと共にそちらに行きますから。」


「それなら、俺も挨拶をしに行った方がいいのではないのか?」


「では、昼間、俺と一緒に第一魔国の王宮に行って、夜にルディーンの所へ行くっていうのはどうです?夕方に買い物に出てもいいかも…。皇太子殿下が魔国の街を見たいと言うのなら、短い時間ですけれど案内しますよ。ただ、人間は危険があるんで、魔族に化けて貰わないとならないですけどね。」


「悪質な魔族がいるって事か?」


「まぁ、皇太子殿下はイイ男ですから、狙われますよ。魔族は美しい物が大好きですから。

皇太子殿下が街に出ている間は、他の人達はルディーンの別荘で待っていて貰えばいいと思いますし。」


「それなら、よろしく頼む。」


セシリア皇太子妃にその事を言うと、


「サルダーニャ様にご挨拶、私もしたいですわ。ディオン様。幸い、今、体調もよいので、二人で第一魔国の王宮に行ってから、ルディーンの別荘へ行って、ディオン様が買い物に行っている時は、リーゼティリアとフィーネと共にそこで待っていますわ。」


「ああ、それじゃそうしようか。」




そして、祭りの日、クロードとグリザスと共に、ディオン皇太子とセシリア皇太子妃は、第一魔国の王宮へと転移した。


王宮では、サルダーニャと、王配のゾイドリンゲンが出迎えて。


「おおっ。ディオン。よく来てくれたのう。セシリア妃も。」


サルダーニャの言葉に、ディオン皇太子はにこやかに、


「招待してくれて有難う。妻と共に挨拶に伺わせて貰った。」


「他の魔国の魔王達も、来ておる。挨拶しておくか?」


「まぁ、この間、会ったからな。礼を改めてロッドと、シルバには言っておいた方がいいのかもしれん。」


ロッドは、妻のナターシャと最近産まれた赤子を連れていた。

シルバは、婚約者のマリアンヌと共に、訪れていて。

マリアンヌが、ディオン皇太子とセシリア皇太子妃に。


「まぁ、ディオン様達も来ていらしたの?」


「マリアンヌ。お前は当然、シルバの招待で来ていると思っていたが、

シルバ、ロッド。この間は有難う。」


シルバがワインを片手に、


「いつか借りを返して貰うからな。」


ロッドは、ディオン皇太子に向かって、


「まぁ、マディニア王国の苦難に協力するのは当然の事だ。」


「ハハハ。借りは返そう。必ずな。二人とも有難う。」


他の第二魔国魔王レスティアスの家族や、第四魔国魔王ティムに挨拶を済ませていると、

サルダーニャが、ロッドとシルバと、先程、到着したローゼンを連れたフローラに、

説教をしていた。


「この間の魔法、皆、未熟じゃのう。もう一度、見せてくれぬか?改善点を指摘しよう。」


フローラが焦ったように、


「サルダーニャ様。遠慮したいですわっ。」


ロッドもシルバも、


「俺も遠慮したいんだが。」


「私もだ。」


「魔界の魔王達が、あの程度の実力では、情けないではないか。」


フローラが、観念したように。


「私は魔王じゃないんですけど、解りましたわ。」


椅子に魔法をかける。人間の形を成して行き、それはファルナードになった。

白目を剥いて、真っ青な顔をしている。


見物していたクロードが、


「フローラって可愛い物好きなのに、どうして、死体みたいな顔になるかな。」


「おかしいわね。私、綺麗な物が大好きなのに…。」


サルダーニャが、


「魔法の公式が間違っておる。実はフローラは怖い物や不気味な物が好きなのではないか。」


「それは無いですっーー。私は美しい物と可愛い物が好きなのよっ。」


赤ワインを飲みながら見物していたローゼンに向かって。


「信じて下さるわよね。ローゼン様。」


「答えに困るのだが…。フローラが、美しい物や可愛い物が好きなのは良く解っている。

解っているが…」


美しいドレス姿で、ガクっと膝をつくフローラ。


サルダーニャが、ロッドの方を見て、


「次はロッド。椅子をファルナードにしてみるがいい。」


「私もやるのか…。」


魔法を唱えれば、それはもう、目がつぶらなタダカツベアのようなファルナードが出現した。


シルバが呆れて。


「お前、実は可愛い物が好きなんじゃないのか。」


クロードが笑って。


「タダカツベアの隠れファンだったりして。」


「何だ?タダカツベアって???」


フローラが立ち上がり力説する。


「タダカツ様が作られるタダカツベアは、マディニア王国では人気の熊のぬいぐるみ、

いえ、芸術品なのですわ。それを知らないなんて、知らないでこんなにそっくりな、ファルナード様を作り上げるなんて、ロッド。貴方って…」


「だから、何が言いたい。」


ロッドは不機嫌に、額を押さえる。


シルバが、魔法を唱えて、椅子をファルナードに変化させながら、


「それでは俺のファルナードはどうだ?」


マネキンのような無表情なファルナードが出来上がる。


クロードが手を振って、


「ダメダメ。何でこう、心がないファルナードが出来上がるかな。」


「クロード。それならお前のファルナードを見せるがいい。」


シルバの言葉にロッドも。


「そうだ。私もお前のファルナードが見たい。」


フローラも頷いて。


「見せなさいよ。クロード。」


「ええ?仕方ないな。それじゃ俺の魔法を見せよう。」


椅子に向かって、魔法を唱えれば、

それはもう、可愛らしい子供のファルナードに変化して。

皆に向かって、にっこりと微笑めば、

フローラが、嬉しそうに。


「まぁ、なんて可愛いファルナード様っ。可愛すぎるわ。」


抱き締める。


シルバがチラリとクロードを見つめ、


「お前、実は子供に変態な事をしたい趣向があるんじゃないか?」


「いくら俺が変態だからって、ああ、いや変態じゃないっ。俺はまともだよ。」


クロードが慌てて言えば、皆がじいいいっとクロードの伴侶のグリザスへ視線を向けて、


シルバが、両腕を組み、


「普通は死霊の黒騎士なんて伴侶にしないと思うが…。」


フローラが、子供のファルナードを抱っこしながら。


「グリザス様は可愛らしいですわ。クロードが惹かれる気持ち、私、よく解ります。」


ロッドが頷いて。


「悪い男ではない。グリザスは…。私はクロードの気持ちが少しは解る気がする。」


クロードはグリザスに近づいてその手を握り締めて連れて来て。


「皆、有難う。俺は幸せだな。」


グリザスは困ったように、


「俺は恥ずかしいんだが…クロード。」


サルダーニャが皆に向かって。


「それでは、わらわが、手本を見せよう。」


椅子に魔法をかける。


ファルナードに姿を変えれば、それは、もう…

本物よりかっこよく、さっそうと歩いてくるりと回転し、モデルさながらポーズを決める。


見物していたマリアンヌが。


「まぁ、何て素敵な…。」


フローラもうっとりと、モデルのようなファルナードを見つめ、


「素敵ですわ。さすが、サルダーニャ様。」


ロッドの妻、ナターシャも赤子を抱きながら、


「こんな方がいらしたら、女性は皆、一瞬にして心を奪われてしまいますわね。」


伴侶のロッド、そして婚約者のシルバとローゼンは、面白くない表情で、


ディオン皇太子は、そんな皆の様子を、セシリア皇太子妃と共に楽しく見物した。


皆で楽しく過ごした後は、セシリア皇太子妃は、ルディーンの別荘で待っているリーゼティリアとフィーネ、ファルナードの元へ、迎えに来たスーティリアによって転移し、ローゼン、グリザスもその時、別荘へ連れて行って貰い、ディオン皇太子は、クロードとフローラと共に、

ミリオン、ルディーンと合流して街へ買い物に繰り出す事となった。


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