第2話[朱音]
あれから数週間が過ぎたある日、アリスが死んだ事を朱音から告げられた。
急な事故だったらしい、朱音もその事故のせいで大怪我を負い入院し、私達は朱音のお見舞いに病院へと向かった。
その時に朱音からアリスが事故にあった事を告げられたのだ。
「華、後で少しだけ二人きりで話せる?」
真奈ちゃんと桃香には聞こえない様に私だけに小声で話す朱音に私は笑顔で、そして小声で答える。
「いいよ」
お見舞いを終えて、真奈ちゃんと桃香と別れ私はもう一度病院へ向かう。
「朱音、来たよ」
病室のドアを開けて、ベッドで寝ている朱音に笑顔を向けた。
朱音はベッドから起き上がると悲しそうな表情を浮かべながら口を開き何があったのか話し始めた。
「実はね、アリスが死んだのは事故のせいじゃないの」
「ある魔法少女に殺されたの」
「えっ?」
「どういう事?」
朱音は語った。
狂美の事を……。
狂美がアリスをどのように殺したかも詳しく話し、そして涙した。
「私は大怪我を負い、アリスが狂美に撃たれている中、私は怖くなってその場から逃げ出しちゃったの」
「アリスの助けを求める声を無視して」
「今は後悔してる」
「何故、あの時死ぬ気で戦わなかったのかって……」
声をあげて涙を流す朱音を見て、私は彼女を抱きしめて慰めてあげる。
「華、私って最低だよね」
「そんな訳ないじゃん」
「朱音が最低なら全人類最低だよ」
弱々しく体を震わせる朱音を見て、私は憎しみと怒りに支配されていった。
朱音にこんな思いをさせるなんて、絶対に許さない。
「真奈ちゃんと桃香にもちゃんと言わないと……、ってあれ?」
「朱音、どうして二人に事故に遭ったって嘘をついたの?」
「華、私ね産まれて初めて人を殺したいって思ったの」
「でも、真奈にこの事を言えばきっと反対される」
「だから華に相談したの」
「華しか頼れる人が居ないから」
「お願い華、私と一緒に狂美を殺して」
「アリスの仇を二人で打つの」
私は彼女の復讐に付き合う事にした。
私だってアイツが憎い。
アリスを殺し、朱音を傷つけたアイツが憎い……。




