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第2話[朱音]

「ならいいじゃない」

「誰も傷付かず救われた事実だけが残る」

「それでいいのよ」


「でも、初めから妖精に頼んでいればハル達は死なずにすんだ」


そう、仲の良い友達として記憶を操作していれば、私は苦しまずにすんだかもしれない。

そう思う私に朱音は首を傾げ尋ねた。


「それで華は許せたの?」


目を見開き黙り込む華に朱音は続けて言う。


「人を傷つけておいて、何も無く接してくる彼女を華は受け入れられる?」

「もし妖精と出会わなければ、最悪死んじゃってたかもしれないのに」

「それ程までにあなたを傷つけた人を何の罰も与えず生かす事なんて出来るの?」


朱音は華から視線を逸さず、真っ直ぐと見つめながら口を開く。


「人はね死にたいから死ぬんじゃないの」

「生きるのが辛いから死ぬのよ」

「その辛さを与えた人間に罰を与えた華は最低じゃないと私は思うな」


朱音の甘い言葉に耳を傾け、華はボソリと呟いた。


「私は最低じゃない」


「ええ、あなたは最低何かじゃないわ」

「私の自慢の友達よ」

「誰よりも可愛く、誰よりも優しい、私の自慢の友達」


そう言って朱音は華を抱きしめた。

その際に香る朱音の髪の匂いに華は少しドキッとしながらも彼女を抱き返した。

朱音と出会えて本当に良かった。

朱音、私もあなたが自慢だよ。

静香に負けない位の自慢の友達。


「ありがとう朱音」

「朱音のお陰で大分楽になったわ」


そう言ってお礼を言う華。

お互いに抱きしめ合い、友情を確かめ合う中、朱音は不気味な表情を浮かべ笑っていた。

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