第1話[母]
私が愛を求める度に私は周囲から嫌な目で見られるようになった。
初めは同情してくれた女の子達も今では私をトイレと呼ぶ。
誰からも愛されず、誰からも同情されない。
ネットですら私の居場所は無かった。
そんな私の前にモモは現れた。
私を理解し、私を愛してくれる。
人を殺せば殺す程、私を褒めてくれる。
私を愛してくれる。
どうせ殺すのは私に嫌な事を言ってくる連中。
私を愛してくれなかった男。
私をトイレと言ってイジメてくる女。
死んでも当然の奴らだ。
だけど、私は人を殺した事を酷く後悔する事になる。
そのきっかけを作ったのは真奈ちゃんだ。
真奈ちゃんと出会ったお陰で、私が醜い人間だった事を知る。
「私が桃香ちゃんの罪を半分背負ってあげる」
「だから死なないで」
真奈ちゃんは優しくて私を理解してくれた唯一の人間。
同じ女の子同士だけど、他の誰よりも彼女と一緒に居る時は楽しく、そして落ち着いた。
私は真奈ちゃんが大好き。
他の誰よりも彼女の事が大好きなんだ。
真奈ちゃんが一人暮らしをしている事を知り、私は料理を勉強する事にした。
お金ならある。
毎日お母さんが置いてくれている。
私はそれを使い、真奈ちゃんの為に料理を勉強した。
真奈ちゃんが美味しいと言って食べてくれる姿が好きだ。
彼女のその顔を見ると、胸が締め付けられるように苦しくて、どこか心地が良い。
真奈ちゃんと一緒の時間を過ごすだけで幸せで心が満たされる。
「お願い、もう人を殺すのは止めて」
「私からもお願い」
「人を殺すのは止めて」
「きっと後悔する筈だから」
真奈ちゃんと一緒に魔法少女の説得をする。
その甲斐あってか、アリスちゃんと華ちゃんは説得出来て、私達のお友達になってくれた。
真奈ちゃんの家に集まり、四人でたこ焼きパーティーをする。
「なっ、何て難しいんですの」
アリスちゃんがたこ焼きをひっくり返すのをミスして皆んなが笑う。
「全くアリスは下手くそなんだから」
「貸して、私が本当のたこ焼きってもんを見せたげる」
そう言って華ちゃんも失敗して皆んなが笑った。
本当に楽しくて幸せな時間だ。
今までなら、冷めたご飯を一人で食べ、こうして笑い合いながら食べる事何て無かったから……。
「桃香、どうして泣いてますの?」
「桃香ちゃん、大丈夫?」
「良かったらハンカチ使いなよ」
皆んなが私を気遣ってくれる。
そんな皆んなが私は大好き。
「ありがとう皆んな、こうして皆んなと食べるご飯が美味しくって」
「いつも、一人だったから……」
再び涙が溢れ出てくる。
そんな私を皆んなが慰めてくれた。




