最終話[正義]
アリスの前に罪人が跪かされる。
兵士が罪状を読み上げ、アリスは魔法を使い冤罪かどうかを調べ、そして罪人に裁きを下す。
「二度と詐欺が出来ない様に、舌を切り、口を縫い付けなさい」
罪人は刑を行う為に別室へ連れて行かれ、次に現れたのは見窄らしい格好をした少女だった。
彼女は貧しく、飢えを凌ぐ為に食べ物を盗んでしまい、店主に捕らえられアリスの元へやって来たのだ。
「どうかお許しください女王様」
「もう二度としません」
「だから……」
跪き、体を震わせながらアリスに許しを請う。
だが、相手が誰であろうと、どんな理由があろうともアリスは容赦はしない。
「両腕を切り落としなさい」
「これで、もう二度と盗みなんて出来ないでしょう」
少女は泣きじゃくり、アリスに何度も謝るがアリスは聞く耳を持たず、次の罪人の裁きを言い渡す。
そんなアリスの背後で最後の魔法少女が笑いながら現れた。
「誰であろうと容赦はしない」
「あなたの正義こそ本物だわ」
あの日、彼女を殺してから真奈は私の中から消えた。
代わりに現れたのがコイツ。
名前も知らない魔法少女だ。
鬱陶しく、何度消えろと念じても彼女は消えてくれない。
「さあ、つぎの罪人が来たわよ」
「早く裁きを下して」
「あなたの下す裁きを私に見せて」
これからも私はこの悪魔と共に正義を執行するのだろう。
彼女の口から出る甘い囁きに耳を傾けながら……。
完
アリスEND
読み返して編集作業が終わり次第、第4部を書いていきます。
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