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第4話[逃避]

そんなツツを見て微笑むアリス。


「妖精ってお花に囲まれた場所に居るイメージだけど、そうなの?」


「ええ、そうよ」

「私の故郷もお花で囲まれているわ」


そう言ってアリスの周りをツツは嬉しそうに飛び回る。

それなら、定期的に華のお店でお花を購入し、部屋に飾ってあげようかしら。

そんな事を考えながら、アリスはある考えをツツに話した。

華を殺したのは魔法少女ではないか。

そのアリスの考えをツツは否定しなかった。


「そうね、確かにアリスの考えは正しいかも知れないわ」

「魔獣が魔法少女に勝つだなんて、あり得ない事だもの」

「真奈だって、魔法少女に変身していれば奈緒香に殺される事は無かった筈よ」


落ち込んだ表情を見せるアリスにツツは慌てて口を塞いだ。

余計な事を言ってアリスを傷つけてしまった事を後悔しツツはアリスに謝罪する。

アリスは精一杯の笑顔を作るとツツを許し、今後の事を考えた。

華を殺した魔法少女を突き止めなければ……。

そう決心しアリスは夜間、魔法少女を捜しに家を出るのであった……。


魔法少女を捜しながら人助けをする日々が続く中、学校帰りの道端でゴミを拾うアリス。

しばらくゴミを見つめながらアリスは真奈との思い出を思い出していた。

「真奈」と呟き涙が頬を伝う。

それに気付いたアリスは涙をハンカチで拭い、翌日からゴミ拾いも始めた。


「流石に頑張り過ぎじゃないの?」


夜は魔法少女捜しに人助け。

朝は学校の準備に学校終わりにはゴミ拾いと宿題に予習。

かなりのハードスケジュールにアリスが倒れてしまわないかツツは心配していた。


「大丈夫ですわ、このくらい平気ですの」


そう言って明るい表情を浮かべるアリス。

今がアリスにとって、最も充実した時間なのだ。

そんな中、優衣の声が聞こえアリスの表情が曇る。


「お嬢様、何をなさっておられるのです?」


恐る恐るゴミを拾っていた事を伝えるアリス。

奈緒香同様、また嫌な事を言われるのだろう。

そう思っていたが……。


「お嬢様、すごいです」


そう言うと優衣はアリスを褒めた。

そして一緒に手伝うと言い張る優衣にアリスは困惑しながらも断るが押し切る様に優衣はアリスのゴミ拾いを手伝った。

一生懸命にゴミを拾う優衣を見て、アリスは次第に彼女に対し心を許す様になっていく……。

それから数日が経ったある日。

優衣に誘われるがまま、彼女の後について行くアリス。

そして、ある孤児院へと辿り着いた。


「ここが私の育った家です」


優衣から聞かされる真実。

アリスの父は国内にある幾つかの孤児院に多額の援助を行なっていたとか。

真奈を亡くし塞ぎ込んでいたアリスを何とかしようと、ここの職員に相談した所、優衣が選ばれたのだという。


「そうだったの」


小さな子供達に囲まれ、笑顔のアリス。

そんなアリスの元へ魔法少女が一人、現れた。


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