表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/138

最終話[救済]

数年後。

私は魔法少女の力を使い、世界を統一させた。

貧困層、社会的弱者。

イジメに悩んでいる子や、精神的に弱い人。

それら全ての人を私は魔法少女の力を使い、救済していった。


世界を旅する中で、私は小さな少女から泥団子を貰う。

教えたばかりの日本語で彼女はこう言ってくれた。


「ありがとう。」


私はその子の頭を撫でてあげ、お礼を言う。

少女と別れ、泥団子を見つめる私にカカが溜め息を吐きながら、文句を言ってきた。


「もう、部屋に飾る所無いじゃない。」

「乾燥して、崩れて砂まみれだし、いっその事、捨てたらいいんじゃない?」


「うるせぇ、捨てられる訳ないだろ。」


そう返しながら、私はある事を思いつく。

ゲートを作り出し、いつもの場所へ向かう。

海が見え、景色がいい。

ここに、三人のお墓がある。

私は泥団子を供え、今日あった事を墓石の前で話した。

あの時、真奈の幻を見た。

あれが幽霊だったのか、幻覚だったのか分からない。

だけど、ここへ来ると三人に出会えるんだ。


「狂美ちゃん、今日も頑張ったね。」


笑顔で褒めてくれる真奈。


「泥団子、素敵だね。」


静香の言葉に癒される。


「フン、まあ、あんたにしては頑張ったんじゃない。」


華、テメーは素直に褒められないのか?

そう思った時だった。

私の頬に涙が伝う。


「ちょっと、何泣いてんのよ、あんた。」


「華ちゃんが、素直に褒めないから。」


静香に注意され、真奈もそれに便乗する。

華は慌てながら私に謝罪をしてくれた。


「悪かったわよ。」

「人の為に頑張るあんたは、正直すごいと思う。」


思わず笑ってしまう。

いつもの華じゃないと、何だか気持ち悪い。


「キモ…って、あんた馬鹿にしてんの?」


顔を真っ赤にして怒る華。

やはり、幻覚なのだろう。

幾ら静香達に言われたからって、華が素直に私を褒める訳が無い。

それに…。

この涙は罪悪感からのものだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ