最終話[救済]
私はモデルガンを手にし、残りの魔法少女を捜した。
だが、残っていたのは一人だけだった。
彼女は語る。
私が最後の一人だと。
愛歌とか言う魔法少女を桃香にぶつけ、魔法少女同士、戦えばどうなるのかを観察していた事を奴は語っていた。
フフフ、奴は一体何を言っているんだ。
奴が何を話しているのか、私には分からない。
何故、奴があんなに笑っているのか私には分からない。
何がそんなに楽しい?
ああそうか、殺されるのがそんなに嬉しいのか。
なら、すぐに殺してあげないとね。
私はモデルガンで奴の頭を狙う。
だが、奴はそれを避け、剣で私の腹部を突き刺した。
何故だろう、奴の笑い声が感に障る。
「ククク、早く殺されろよ。」
「テメーの脳みそ見せてくれよぉ。」
弾何て、数撃ちゃ当たる。
奴の足に当たったのか、奴は動くのをやめた。
これで終わりだ。
私は奴の頭を撃ち抜き、声高らかに笑った。
全ての魔法少女を殺した。
次はどうする?
決まってるだろう。
この世の全ての生き物を根絶やしにするんだ。
全て絶滅させてやる。
何もかも。
私の手で…。
「あれ?」
「何で私は泣いているんだ。」
手に持っていたモデルガンを落とし、私は涙を流す。
涙で視界が歪む中、私は確かに見た。
真奈の姿を…。
「真奈、真奈…。」
私は彼女に抱きついた。
彼女の匂い、それを嗅いで私は正気を取り戻した。
真奈と静香、華との思い出。
そして、桃香、可奈、最後の魔法少女。
彼女達を手にかけた事実。
それらが私の中で鮮明に思い出されていく。
私は真奈の顔を恐る恐る見た。
悲しそうな彼女の表情。
私はどうする事も出来ず、ただただ下を向く。
そんな私の頭を真奈は撫でてくれた。
顔を上げ、真奈の口元を見る。
何かを言っている。
何を伝えたいんだ。
私は必死になって、真奈の唇を凝視した。
「ごめんなさい。」
くっ、謝るのは私の方だよ。
真奈は悪くない。
私は真奈にしがみつき泣き叫ぶ。
いつの間にか真奈は私の前から居なくなっていた。




