表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/138

第1話[加害者]

「もういい。」


私はそう言うと床を這うゴキブリを指差した。


「えっ?」


私は食べてとハルに命令する。

だが、彼女はゴキブリを食べるのに抵抗を示した。


「いや、いやぁ、殺さないでぇ。」


泣きながら懇願するハルの頭を私は優しく撫でてあげる。


「大丈夫、殺さない。」

「だって、あなたには静香に謝って欲しいもの。」


生かす理由を知ったハルは安心したのか、ゴキブリを手にし、ソレを口に運んだ。

口の中で動くゴキブリの不快感、それらをハルの体は拒絶し、胃の中の物と同時にゴキブリが吐き出される。

それを見て、私は呟いた。


「つまらない。」


私はハルの頭を掴み、捻る。

力一杯捻り、ハルの頭が取れ、私はハルの首から噴水の様に飛び散る血液を浴びながら笑う。

生暖かくて気持ちいい。


「華、魔獣退治お疲れ様。」

「軽いジャブ程度だったけど、スッキリした?」


ボクサーの様にシャドーボクシングをしながら私に話しかけてくる妖精。

そんな彼女に私は首を縦に振り応える。

すごくスッキリした。

あんなハルが見れるなんて…。

しばらく余韻に浸り、心を落ち着かせる。


「死体どうしよう?」

「体中血でベタベタだし。」


「死体は私が片付けるわ。」

「血は魔法で消すといいわ。」


イメージしてステッキを振る。

体中の血液はみるみる内に消え、綺麗になっていく。

魔法ってすごい。

本当に便利だ。

死体は妖精が何処かへ転移させ、私は魔法でトイレ内の汚れを消していく。


「えっと、あなた名前は?」

「どうして私の名前を?」


妖精は私の質問に一つずつ答えてくれた。


彼女の名前はミミ、私に一目惚れしたらしく、私の事を調べ上げたらしい。


「ねぇ、死んだハル達の事で警察に疑われたりしないかな?」


夕暮れの帰り道、私はミミに質問した。


「大丈夫よ。」

「彼女達に関する記憶は私が消して置いたから。」

「だから大丈夫。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ