最終話[救済]
桃香と可奈の激しい戦闘。
二人の激しい動きで狙いが定まらない。
それでも狂美はチャンスを待った。
桃香の頭を撃ち抜くチャンスを…。
桃香の攻撃を受けた可奈は吹き飛び壁に強く体を打ちつける。
その衝撃で可奈は気絶し、桃香は笑いながら、ゆっくりと可奈に近づいて行く。
(今だ。)
モデルガンから数発、弾が撃ち出され、桃香の頭にソレらが命中する。
桃香は頭から血を噴き出し、力なく地面に倒れていく。
桃香のパートナーの妖精のモモの姿が消え、狂美は可奈の所へ走った。
そんな時だった。
狂美の足首が掴まれ、狂美は動きを止めた。
「びだいじゃだい。」
血を吐き出しながら喋る桃香に狂美は恐怖し、気が動転し、桃香の頭を踏み潰す。
何度も何度も、足に体重を乗せ、狂美は桃香の頭を踏み潰した。
桃香の頭蓋骨は砕け、眼球が飛び出し、可愛いかった桃香の顔は見るも無惨な姿に変わり、桃香はこの世から息を引き取った。
「ハァハァ、もう生き返るんじゃねーぞ。」
そう言うと狂美は大きな声で笑い出し、可奈にモデルガンを向けた。
それに気づいたリリが可奈を守るように両手を広げ、狂美の前に立つ。
「あんた、何考えてんのよ。」
「可奈はあんたを助けたでしょ。」
リリに続いて、狂美のパートナーの妖精カカも狂美を止めた。
「狂美、どうしちゃったのよ。」
「あの子が居なかったら私達…。」
「でも、奴は魔法少女だ。」
そう、奴は魔法少女だ。
真奈は魔法少女の殺人を止めようと説得して回ったと言う。
でも、誰も真奈の言葉に耳を貸さなかった。
殺人を正当化し、人を殺す。
この世に魔法少女なんて必要ない。
桃香を見て、そう思った。
「助けて貰って感謝しているよ。」
「だから、気を失っている今殺すんだ。」
そう言って可奈の頭に弾を数発、撃ち込んだ。
リリの姿が消え、狂美は両手で顔を覆う。
「待ってろよ、真奈。」
「全ての魔法少女を殺して、私も死ぬ。」
フフフ、真奈の願いは私が叶えてやる。
そう、真奈の願いは私の願い。
あぁ、真奈って誰だっけ?
まあ、いいか。
さて、残りの魔法少女は何処かな?
フフフ、アハハハハ。




