表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/138

第3話[否定]

華の意識は無くなり、パートナーの妖精ミミの存在が消える。

その様子を見て、笑う桃香。


「ねぇ、私まだ生きてるよ?」

「死んでも殺すんじゃなかったのぉ?」


ケタケタと笑う桃香を囲む警察官。

事情を聞こうと桃香に近寄るが…。


「うるさいなぁ。」


華を引きずりながら、魔法で剣を作り出し、警察官の喉元にソレを突き刺した。

返り血を浴び、体を赤く染めながら桃香は笑う。


「いい加減、離れてよ。」


華を引き離し、周りに居る警察官や野次馬を皆殺しにする。

変わり果てた桃香を心配そうに見つめるモモ。

どうする事もできない。

彼女のする事を咎めれば、彼女を否定する事になる。

それは、今の桃香が一番嫌う事。

妖精はいつ如何なる時も、パートナーの味方でいなければならない。

愛する桃香の唯一の理解者でいなければならないのだ。

全てを殺し終えた桃香は手土産を持ち、真奈達を追った。


華を心配する真奈の手を握り、引きずる様に走る狂美。

真奈は狂美に「待って」と言うが、狂美は止まらなかった。

何としてでも、真奈だけは守らないと…。

真奈だけは…。

真奈に手を振り解かれて狂美は止まる。


「助けに行かないと…。」

「華ちゃんが殺されちゃう。」


「あいつなら大丈夫さ。」

「真奈、どうして華がお前を連れて逃げろって言ったか分かるか?」


「私を守る為?」


「確かにそれもあるだろう。」

「だが、一番の理由じゃない。」

「あいつは、あの魔法少女を殺す気でいる。」

「その姿をお前に見られたく無いから、あいつはお前を連れて逃げる様、私に頼んだんだ。」


これは今思いついた嘘だ。

真奈を大人しく逃す為に吐いた嘘。

こんなので真奈を引き留められるなら、私は何度だって嘘を吐く。

だから真奈、そんな顔をするのは止めろ。

大人しく私について来てくれ。


「私は、どんな華ちゃんだって受け止めるよ。」

「だから私…。」


決意に満ちた表情。

真奈の言葉が耳に入って来ない。

だから私は、子供みたいに我儘を言う。

真奈をキツく抱きしめ、私から離れて行かない様に…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ