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第2話[強者]

「真奈ちゃん…。」


静香が新しい友達を紹介するって言った時、どんな奴が来るのか不安だったけど、優しい子だ。

静香に夢を与え、私の事も心配してくれている。

私なんて、真奈ちゃんに嫉妬したりしてたのに…。


「ありがとう、自分に甘いって言われちゃうかも知れないけど、真奈ちゃんの言う通りにするよ。」


少し長く話し過ぎてしまった。

三人は急いで戻り、静香の元へ駆け寄った。

そして、華は静香に自分が魔法少女だと打ち明ける。

覚えているかどうか分からないが、ハル達を殺した事を伏せて、自分が魔法少女だと静香に説明した。

驚く静香だったが、自分だけ魔法少女でない事に残念そうに呟き落ち込んだ。

それでも、自分も何かできるかもと希望を持ち、一緒に人助けがしたいと願い出る。


「もちろんだよ。」

「一緒に人助けをしよ。」


両手で静香の手を握り、真奈は静香に笑顔を向けた。

そんな真奈を見て顔を赤くする静香。

華と狂美は溜め息を吐き、二人は顔を見合わせた。


回転寿司のお店に入店すると狂美はお店で一番高いお皿を注文し始めた。

初めは気にしていなかった華だが、狂美が頼む全てのお皿が、お店で一番高いお皿なので、堪らずその事を指摘した。


「あっ?」

「別に好きな物を頼んでもいいじゃねーか。」


「いい訳ないわよ。」

「割り勘なんだよ。」


「なら、皆んなの分を私が払ってやるよ。」


そう言うと狂美は財布からお札を取り出した。

それを見て溜め息を吐く華。


「ちょっとは周りを見たらどうなのよ。」

「静香も真奈ちゃんも玉子ばかり食べてるじゃない。」


「えっ、いや…、私、玉子好きだから。」


皆んなから視線を逸らし玉子を食べる真奈。

静香も「私も」と言い、玉子を食べ続ける。


「だから奢るって言ってんだろ。」

「二人も遠慮…。」


狂美は突如、黙り込みハッとした。

その様子を見て、華はニヤリと笑った。


「あんたに文句も言わず、玉子を食べ続けている二人が、奢りと言われ遠慮しないと思う?」


華の言葉に冷や汗を流す狂美。

確かに、この二人は絶対に遠慮する。

くっ、ならどうすれば良かったのか…。

答えは簡単だ。

二人が遠慮せずに食べられる様に、割り勘で尚且つ、私が遠慮すれば良かったのだ。


「ふう、ようやく理解できたようね。」


華はテーブルに置かれたお札を狂美に返して、そのお金についても文句を言う。


「どうせ、このお金も両親のお金なんでしょ?」

「中学生じゃ、バイトもできないもんね。」


大人ぶった言い方の華が癇に障ったのか、狂美は揚げ足を取ろうとする。

だが…。


「残念、私は実家が花屋だから。」

「バイトとまではいかないけど、お店のお手伝いをして、稼いだお金を使っているのよ。」


なっ…。

コイツが花屋だと…。

何だか華が大人な感じがして、悔しい狂美はボソリと華の悪口を呟いた。


「花屋が似合わない華の癖に…。」


この悪口に静香がツボったのか、口にしていた米粒を吹き出して、静香はお腹を抱え笑った。

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