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第1話[弱者]

好きなアニメのオープニングソングの話しで盛り上がり、そのアニメや曲で毎週勇気を貰っている事を話す静香。


「毎日が辛く、悲しい事があっても、このアニメや音楽を聴いて元気を貰ってるんだ。」


そう言って笑顔で語る静香だったが、真奈とは今日出会ったばかり、初対面の人に自分の事を語る自分が何だか恥ずかしくなり、静香は顔を赤くして、真奈に謝ってしまう。


「えっ、どうして謝るの?」


困惑する真奈に静香は恥ずかしそうに言う。


「だって、私ったら自分の事ばかり…。」

「オマケに勇気が貰えるや元気になれるとか…。」

「うぅぅ、恥ずかしい。」


「恥ずかしく何て無いよ。」


そんな二人の会話を聞いていた狂美の手が震える。

何が恥ずかしいだ。

何が恥ずかしく何て無いだ。

気持ち悪い会話をしやがって、人間なんて裏では何を考えているか分かったもんじゃねぇ。

どうせ、腹の底では恥ずかしぶって、かわい子アピールしよ。

だとか、恥ずかしく何て無いとか言っときながら、(うわっ、コイツ、はっずー。)だとか思ってんだろ。

本当、気持ち悪い。

狂美がそんな事を思っている間に二人の会話は将来の夢についての話題に変わっていた。


「だったら、声優を目指してみなよ。」


真奈の言葉に戸惑いを見せる静香。

声優なんてそんな簡単になれる職業では無い事くらい知っている。

それは真奈も分かっていた。

それでも、静香が前を向き歩いていけるならと思い、真奈は提案してみた。


「高校に進学するのにも、第一志望、第二志望とあるんだから、声優を第一志望にして駄目だった時の為に第二、第三の道を作って行くのもアリだと思う。」


「第二、第三の道…。」


そうだよね。

駄目で元々、駄目だった時の為、別の道に進むのも悪い事じゃないよね。

すごい、真奈ちゃんの言葉には誰かを元気付ける力がある。

私も…、私も声優さんになって誰かを元気付けたり、勇気を与える事が出来たら…。

静香の中で声優になりたいと強く思う一方で、近くでそれを聞いていた狂美は不気味な笑みを浮かべていた。

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