第1話[弱者]
試し撃ちに空き缶を狙い、玉が貫通するのを確認すると私は心の中で笑った。
これで、奴ら魔獣をこの世から消す事ができる。
私は変身を解き、家に帰宅して奴らを誘き寄せる為に手紙を書いた。
翌日の放課後、いじめっ子達の一人の下駄箱に手紙が置いてあった。
「なになに〜、ラブレター?」
「今時ラブレターとかキモっ。」
「え〜、でも、佐藤君とかならアリかも〜。」
盛り上がる三人に香恵も会話に参加しようと発言するが、三人に睨まれ、黙り込んでしまう。
そんな中、手紙が開かれ、三人は笑い、上機嫌になる。
お願いします。
イジメないで下さい。
これからは大人しくします。
だからイジメないで下さい。
私をあなた達の仲間に入れて下さい。
少ないですが、お金を入れておきました。
まだあります。
もし、仲間に入れてくれるのなら、それらを支払いますので、放課後、三階の女子トイレまで来て下さい。
狂美より。
これらの内容を読み上げ、一万円を広げ、三人は話し合い狂美をイジメる事にした。
「こんな端金で許されるかっつーの。」
「だよねだよね。」
「私何か毎回お尻、蹴られたりしてるんだからもっと貰わないと。」
三人は香恵を連れ、三階の人気の無いトイレへ向かう。
そして、四人がトイレに入り、ドアが閉まると狂美は魔法少女の姿でトイレの個室から出て来た。
それを見た三人が笑う。
その中の一人にモデルガンを向け、大口を開けた口内を狙い、そして撃った。
血が口から吐き出され、倒れる女生徒を何度も撃ち、血溜まりができる。
それを見て、狂美は笑った。
その狂気じみた笑いに、その場に居た全員が恐怖し、トイレから逃げようとする。
だが、ドアが開かない。
鍵なんてついていないドアが開かない。
「どうして開かないのよ。」
「どうして。」
そう叫ぶいじめっ子に狂美は近づき、魔法の力だと教えてあげる。
「はぁ?」
「魔法?」
信じない彼女に銃口を向ける狂美。
「信じます。」
「信じるからそんな物、こっち向けないで。」




