表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/138

第1話[弱者]

「何黙ってんだよ。」

「何も言い返せないんだったらさっさとどけよ。」

「オラッ。」


そう叫ぶ私に対し、彼女は震える手で隣の席を指差した。


「あ…、ああなたの席は隣です。」


声まで震えている。

狂美は頭を掻き、少しだけ優しい口調で彼女に話しかけた。


「あのなぁ、私もそこまで馬鹿じゃないんだよ。」

「流石に隣の席を間違えたりしないよ。」


「本当です。」

「この前、席替えがあったから。」


それを聞き、狂美の顔が赤くなる。


「あはは、何だそうなのか。」

「隣って大して席変わってねーじゃねーか。」

「あはは、あはは…、ごめんね。」


彼女が頷くのを確認し、狂美は自分の席に座り、寝たフリをする。

恥ずかしい。

恥ずかし過る。

間違って知らない子のケツも蹴っちゃったし、何かもう…、帰りたい。

でも、途中から学校抜け出すのもなぁ。

両親も喜んでいたし、まっ、寝てりゃあ何とかなるだろう。

そう思い寝る事にした。

しばらくして、周りのうるさい声に目が覚める。

隣の席を集団で囲い、ケラケラと笑う声。

俯き涙目の隣の席の子。

すごく不快だった。

私は席を立ち、先程、尻を蹴った奴のケツを蹴る。

そのまま倒れ込んだ彼女の髪を強く引っ張り、顔を近づけた。


「うるせぇーんだよ。」


そう言うと私は髪を離し彼女を解放する。

すると…。


「あんた一体何がしたい訳?」


一人のいじめっ子がそう言うと周りに居た、いじめっ子達が次々と私を責めていく。

そんな中、私は笑った。


「何笑ってんのよ。」

「気持ち悪い。」

「皆んな行こ、こんな気持ち悪い奴の相手なんてできないわ。」


そう言うといじめっ子達は去って行った。

何が気持ち悪りぃだ。

集団でしか行動できない弱者共が。

弱いからこそ、自分の力を見せつけたくて、自分より弱い人間をイジメて自分は強い人間だと周囲にソレを見せつける。

そんな情け無いお前らの方が気持ち悪いじゃねぇかぁ。

私がそんな事を考えていると、いじめられていた彼女が私にお礼を行ってきた。


「気にすんな。」


私はそう言うと再び眠りについた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ