第3話[無関心]
「アイツの、アイツの肉を食べさせれば、真奈は生き返るかもしれない。」
そうだ。
肉を食べさせればいいんだ。
フフフ、心臓を貫かれても、しぶとく生きていたんだもの。
きっと、生き返るに違いないわ。
一歩、一歩とゆっくりとアリスの遺体に近づく。
そんな私を、リリが止めた。
「そんな事しても、真奈は生き返らないわ。」
「第一、真奈は死んでるのよ。」
「死人が肉何て食べられる訳がないじゃない。」
彼女の言葉が酷く耳障りだ。
まるで、夜中に耳元に集る蚊の様に不快だ。
「うるさい。」
私はリリに怒鳴り、そして彼女を責めた。
「だったら、どうしたらいいのよ。」
「何も、案が無いのなら、私に意見しないでよ。」
苛立ち、リリが憎らしい。
私の心がドス黒く濁ってしまいそうな位、私は怒りと憎しみに支配されそうになっていた。
そんな中、桃香が私の手を握る。
「お願いがあるの。」
そういうと彼女は私に殺してと頼んできた。
何を言っているのだろうか。
真奈はこんな奴の為に命を張ったのか。
そう考えると、彼女に対しての怒りが止まらない。
「ふざけないでよ。」
「真奈がどんな思いで、あなたを助けに来たのか分かる?」
「アイツは…。」
「だからだよ。」
「だから、彼女の為に私も命を張るんだよ。」
彼女はそう言って語る。
真奈を生き返らせる為に…。




